【金カム】坊主頭に興味が湧いて弐 (ページ10)

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59話　飼い白石ページ10

アシ「この辺りはもう小川が凍ってしまっているから、ホイヌはとれにくくなる。川が凍ると、氷の上を渡れてしまうからなぁ」

白石「ほぉーん…」

暫く進んでいると、木製の何かを見つけた。

貴『これは…』

白石「なんだこれ…」

キロ「それは棺だ。ウイルタ民族の天葬ってやつだな」

アシ「ウイルタ…？」

キロ「樺太には大きく分けて三つの少数民族が生活している。樺太アイヌにウイルタ、ニヴフ民族だ」

尾形が森の近くへ歩いていくのが見え、ミツキは後を小走りで追いかける。

貴『何してるんですか？』

尾形『…何に見える？』

その瞬間、尾形は狙いを定め発砲した。

アシ『尾形、何を撃った？」

尾形「…エゾシカだ」

キロ「樺太にエゾシカはいねぇよ」

皆で尾形が撃ったエゾシカらしきものを確認しにいくと、立派な角がついた鹿がそこには倒れていた。

アシ「確かにユクに似てるけど…こんなの初めて見る」

キロ「トナカイだ」

貴『トナカイ…！毛がもふもふ…』

そう言ってミツキはトナカイの毛を触る。少し硬いが、もふもふだ。

アシ「？なんか首から下げてる」

キロ「それはスネに棒が当たって、痛みで遠くに逃げないようにする為の首輪だ」

そのキロランケの説明を聞くや否や、ミツキとアシㇼパは首輪をトナカイから外すと、代わりに白石の首に付けた。

白石「……」

アシ「白石の首につけておけばいい」

貴『ははは！似合ってる〜」

キロ「勝手に遊郭へ行けなくなるよう、ち○ぽに当たる長さに調整しよう」

そうしてつけた首輪をそのままに白石が走り、ミツキはツボったのか腹を抱えてその場にしゃがみ込んでしまった。

白石「ｧﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ…ｯｯ！！くびわしてるってことは、誰かが飼ってるトナカイなのかなぁ〜…ミツキちゃん、笑ってないでこれ外して〜…」

貴『えぇ〜外すの〜？』

「つまんないの〜」と頬を膨らませて言うと、ミツキは白石の首につけていた首輪を取ってやる。

キロ「近くにウイルタ民族がいるはずだ。彼らは夜に放牧して、日が昇ると飼いトナカイを集める」

その時、遠くの方で何かを呼ぶ声が聞こえた。

貴『あれですかね？』

キロ「トナカイを呼んでるな」

貴『さっき尾形さんが撃ったから…』

白石「あ〜あ〜…し〜らなぁ〜い！尾形怒られるぅ〜！」

キロ「謝ればいいさ。タバコあげたら喜ぶから」

アシ「尾形、一緒に謝ってやる！心配するな！」

尾形「…」

…

その後ウイルタ民族のテントにて。