【金カム】坊主頭に興味が湧いて弐 (ページ46)

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95話　がっかりページ46

貴『じゃあ飴一銭分買うので、それでどうですか？』

アシ「峰山、それは買いすぎだ。お前が食べたいだけだろ」

アシㇼパの言ったことが図星だったのか、ミツキは
「うっ」と恥ずかしそうに縮こまる。

…

その後白石が近くの飴売りに水をかけ脱がそうとするも失敗し怪しまれ、ミツキ達は他をあたることに。

貴『あの飴売りも見てみますか』

そう言うミツキの先には、長い三つ編みが沢山の髪型をした飴売りがいる。

白石「飴ちょうだいな」

上エ「さあさご注目！"飴こ"が出てくるよ♪」

そうして「ほいっ」とカゴの下から出て来たのは、飴ではなく気味の悪い人形の頭だけだった。

白石「んも〜〜」

貴『で、飴は買えないんですか？』

杉元「峰山…お前まだ買う気か…」

杉元から買いすぎを指摘され、「だって…」とミツキが不満げに呟いていると、白石が再び飴売りに話しかける。

白石「ねえ飴売りさん、さっき聞いたんだけど…変わった入れ墨を彫ってるんだって？」

杉元「へぇ…見てみたいもんだね」

少しの間があいた後、飴売りの男はちろりと顔に垂らしていた紙をめくりあげた。

アシ「！？」

貴『すごい数の入れ墨…』

男の顔には"犬悪"等、不思議な入れ墨がかなりの数で彫られている。

杉元「その顔、全部入れ墨？」

上エ「うん、いいでしょ？全部自分で彫った」

白石「ほぇ〜〜〜全部自分で…？」

貴『おしゃれ…』

白石「えぇ…ミツキちゃんマジ…？」

杉元「なんだよ…変な入れ墨ってこれのことだったのか…無駄骨だったぜ…」

ハァ〜とがっかりした様子で溜息を吐く杉元の顔をその男は覗き込み、「良い顔…！」と笑いを堪えきれずプククと笑った。

杉元「お時間取らせてすまないね。
…徳富川もまったく手がかりがなかったし…次は南下して沙流川か」

貴『例の新聞で話題の札幌の殺人事件も気になりますね…』

白石「先にそっちへ行くって選択もあるな」

そう三人で次の目的地を話し合っていると、アシㇼパが焦った様子で「今の飴売りを探せッ」と言って走っていった。

しかしもう遠くへ行ってしまったのか、先ほどの飴売りは見つからなかった。

貴『もう近くにはいなさそうですね…』

白石「アシㇼパちゃん、確かにあいつは"金塊は見つからない"って言ったの？」

アシ「私にはそう聞こえた……気がする」

自信無さげにそう言うアシㇼパ。
なんとなく珍しく感じる。

白石「うーん…どうする？海賊を探す予定は変更して、さっきの飴売りを追いかけるか？」