【金カム】坊主頭に興味が湧いて弐 (ページ5)

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54話　刀の真意ページ5

白石「うるせーなまじで！！」

杉元「大人しくしろよ！てめー！」

貴『！火！！火がー！！』

「！！！」

その時、ドカンと大きな爆発で建物が揺れ、廊下から複数人の足音がする。

咄嗟に房の扉を開け、偽のっぺらぼうを盾にした。

杉元「下がれ！言っとくが、こいつからはまだ金塊の在処を聞けてねぇぞ！」

鶴見「総勢六十三名の部下を連れてきた。その方法で我々から逃げ切るつもりかね？」

その数を聞き、ミツキは不安になる。
ここで自分は死ぬのだろうか。
一瞬だけ、バッドエンドが脳裏によぎる。

杉元「全員武器を置いて、ここから…！」

その杉元の言葉を遮るように発砲され、杉元は扉を急いで閉めた。

杉元「馬鹿野郎ー！！のっぺらぼうに当たったらどうすんだー！！…へ？」

「…」

偽のっぺらぼうの頭には銃弾の穴が開いており、そこからは血がだらだらと滴っている。

当たっとるがな…

杉元「早く全員この建物から出ろー！！のっぺらぼうの頭をぶち抜くぞ！いいのか！」

貴『ぶち抜かれてますがな…』

そんなことをしていると、何故か扉が次々と開く音が聞こえ、状況を理解したミツキの顔から血の気が引いていく。
扉が全て開いたということは、囚人達が解放されたということだ。

貴『あの数を…気の毒に…』

白石「開通した！いくぞ！」

白石、ミツキ、杉元は順に床下の通風口へと入り、匍匐前進して進む。

杉元「土方のジジイが全部仕組んだに違いねぇ…」

白石「都丹庵士もグルなら…アシㇼパちゃんは今頃ジジイと一緒かもな…。俺達を偽ののっぺらぼうがいる舎房に侵入させて騒ぎを起こせば、不安に駆られた犬童は本物ののっぺらぼうの隠し場所に向かうはず。
最初からそれが土方の狙いだった…」

貴『…』

私は捨て駒？
そういうことだったのか？
それなら今までのモヤモヤが晴れて、逆に良かったのではないか。

けれども、先ほど渡してくれた刀の事が思考に引っかかってしまい、余計混乱してしまう。

貴『あの人…いったいどういうつもりなんだろう…』

白石「！出口だ！」

白石が通風口の穴を通ろうと少しもがいた後、するりと抜けていった。

白石「よぉし、両肩外せば出られるぞ」

杉元「できるかー！！」

貴『いけるかな…』

そう言ってミツキが穴に体を入れていく。

貴『…んっ…あ、れ…なんかくるし…い？』

え、まさかこの旅を通してとうとうふくよかに…？
道中の揚げ物やら肉やらが美味しすぎて、ついつい食べすぎたか…？