【金カム】坊主頭に興味が湧いて弐 (ページ40)

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89話　北海道へ帰還ページ40

そうして、ミツキ達はアイヌの村に数日泊まらせてもらうことに。

貴『はぁ〜…囲炉裏の火があったかい…』

白石「…んで、これからどうすんだよ。俺達だけで金塊を見つける"策"はあんのかい？」

そうこっそりとアイヌの人に聞かれないよう尋ねる白石に、杉元はうーん…と唸った。

アシ「やはり…土方陣営と鶴見陣営の刺青人皮を奪うしかないのでは？」

杉元「なんとかそいつらをぶつけて…掠め取る！
"漁夫の利"って言葉があるだろ？」

杉元の言う策に、ミツキと白石がはぁ〜…とデカい溜息をついた。

貴『そんなうまく行きますかねぇ…』

白石「言うのは簡単だぜぇ…十日間かけてヒグマ二頭と子熊…路銀という名の軍資金は必要だが、
路銀を稼ぐのが目的の毎日では良くないよなぁ…」

そう言いながら何かを一心に見る白石。
その様子が気になったのかミツキが彼の視線の先を見ると、子熊に乳をやるアイヌの女性がいた。

貴『……』

この変態坊主が…！
ミツキは静かにス…ッとその女性が隠れるように白石の隣に移動し座る。

白石「あ……ゲフンっ
…ねぇーニシパ！なんか手っ取り早く路銀を稼ぐ方法はないもんかねぇ〜」

男「ここより南のコタンの者が…ウェンカムイの退治を頼まれてる。殺されたのは、皆川で砂金を取っていた者達ばかりだとさ」

杉元「砂金…？」

貴『それは怖いなぁ…よいしょ…』

ミツキは眠そうに目を細めつつぼんやり相槌を打ち、白石と同じく床に横になった。

杉元「まだとれる川があるのか？俺は全然とれなかったけどなぁ」

男「なんでも噂じゃ、雨竜川で砂金を掘る男がいて、最近大儲けしてるそうだ」

貴『はぇー…その人はいくらほど稼げたんですか？』

ムクっと上半身を起こし、そう尋ねる。

男「そいつは一日五十円稼いだとかなんとか…」

「…！」

ごじゅうえんも…！？

アシㇼパ以外の四人がその数字に反応した。

杉元「と…とりに行っちゃう…？」

…

そうして日が昇る頃合いに、ミツキ達五人は山へ入っていった。

貴『うぅん…足が雪に持っていかれる…』

アシ「ここは少し雪が深い、気を付けろ」

ミツキが進みづらそうにしていると、白石が手を差し出してきた。
手を引いてくれるという意味だろうか。

貴『…ありがとう…ございます…』

ぎゅ…と彼の差し出された手を握った。

貴『…』

白石さんの手…おっきくてあったかいなぁ…
そんなことをぼんやり考えながら進んでいると、どこからか声が聞こえる。