77話 狙撃再び ページ28
アシ「…何してんだお前ら」
月島「よし、出発だ。明るいうちに出来るだけ距離を稼ぐぞ」
アシ「ちょっと待て、杉元はどこ行った？」
そんなアシㇼパの一言に皆「そういえば…」とキョロキョロ見渡す。
貴『いないですね〜あっちの方探しますか？』
白石「そうだなぁ〜…さっきまでそばにいたのに…どこ行ったんだあいつ」
そうして白石とミツキが道の真ん中に出た瞬間。
シュパァァッ
貴『！白石！！』
白石「ミツキ伏せろッ！！」
貴『…っ！？』
脚をどこからか撃たれ地面に倒れる白石。
その隣にいたミツキも脚を同じく撃たれそうになるも、白石から咄嗟に袴の裾を引っ張られ転び、弾は地面に当たった。
アシ「白石！峰山！動けるか！？建物の陰に逃げろッ」
白石「俺は脚を撃たれた！！ミツキだけでも逃げろ！！」
貴『っく…流石にまだ走れない…ッ』
谷垣「そこから動くなアシㇼパ！白石達の脚を撃ったのは、助けに物陰から出てくるものを狙うため…狙撃手の常套手段だ！！」
アシ「…狙撃手…」
それから鯉登が手鏡を出し、相手の姿を確認しようとするも速攻撃たれ割れてしまう。
月島「かなりの距離から撃っている…こんな射撃が出来るのはアイツしかいない…！」
白石「尾形百之助だ！尾形がもう戻ってきたッ！！」
白石はそう叫びながら、頭を撃たれないように荷物で隠し、隣で伏せているミツキを引っ張り寄せる。
月島「おい白石！峰山！なんとか自分達でこっちに来い！手当しないと失血死するぞ！」
白石「うるせぇ！はなから助けなんか借りるつもりはねぇよ！ミツキを撃ったことも忘れてねぇぞ！！」
そんな中ミツキは急いで荷物の中から新しい布を取り出し白石の撃たれた脚の傷にきつく巻きつける。
アシ「助けないと…！」
白石「アシㇼパちゃんは来るなッ！」
何か考えでもあるのかと思っていると、白石が何かを取り出した。真ん中に穴の空いたロシアのお菓子だ。
そのまま白石はロシアのお菓子を犬達に見せるように差し出した。
白石「おい、ワンコ達！ほらほらぁ〜ロシアの美味しいお菓子だよぉ〜！みんなでこっちへおいで！」
しかし、樺太アイヌの女の子と老人が必死に犬達を向かわせないよう押さえつけてしまう。
白石「俺達より犬が大事か…ッ！」
貴『やっぱり、私が白石さんを抱えて走るしか…』
白石「そんな無茶はするな！待ってろ…」
そう言い白石は盾にしていた袋の中から米を数粒掌に出した。
貴『…米？いつのまに…』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 34人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちあきんぐ | 作成日時：2024年3月2日 7時
