【金カム】坊主頭に興味が湧いて弐 (ページ26)

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75話　口噛み団子ページ26

そして一行は樺太アイヌの集落にお邪魔し、酒を楽しんでいた。

白石「カァーっ！うまいっ！やっぱ酒はいつ飲んでもうまいねぇ〜！」

そう言ってぐびっと酒を呷る白石に続いて、ミツキもクイッと飲んだ。

貴『ふぅ〜…痛みが和らぐぅ〜……ほんと死ぬかと思ったけど、なんとかなって良かった〜』

能天気にふにゃっと笑って言うミツキに、杉元が口を開く。

杉元「呑気なもんだよなぁ…こっちは"ミツキちゃんが死んじゃう！"って泣いてしょぼくれてた奴のおかげで大変だったんだぞ」

杉元がそう言ったと同時に「バ……ッ」と変な声が白石から出る。

貴『ん？白石さん、何か言いましたか？』

白石「ん゛…んん〜〜？しらなぁ〜い！酒が喉に引っかかっちゃったカモ〜☆」

そんなやり取りをしていると、ここに住む樺太アイヌの女性が何かを作っていることに気付いた。

杉元「お婆ちゃん、何作ってんの？」

白石「酒のつまみだったら大歓迎だぜ〜？」

貴『水を吸わせたお米…？それでどうするんですか？』

女性はその米を口に入れポリポリと噛み始め、噛んだ米を器に吐き出して混ぜ、それを焼いたものを皿に出してくれた。

先に杉元が一つ手に取り、口いっぱいに頬張る。
それが美味しかったのかもう一つ手に取ると、白石の口に無理矢理捩じ込んだ。

谷垣「残りご飯を潰して焼く、秋田のキリタンポみたいなもんだな。きっと味噌を塗ったら合うはずだ」

杉元「あぁ〜〜〜それ絶対うまいやつ！！
でもなぁ〜！俺の味噌入れた曲げわっぱ、いつの間にか荷物から無くなってたんだよなぁ！どこかに忘れたのかも…ちくしょう！！」

杉元の味噌入れ…曲げわっぱ……あれ…？

白石「？あぁ〜…？あれぇ？」

アシ「残念だな杉元」

貴『？見た…ような…？あれぇ…？』

アシ「残念だ…」

どこかで見た気がしたけど…
まあいいか

それから暫くして杉元と白石は口噛み団子を相当気に入ったようで、床を這いずりながら女性におねだりをし始めた。

白石「ねぇ？ねぇ〜〜？お婆ちゃんのお団子もっとちょうだぁ〜い？」

杉元「お婆ちゃ〜〜〜んもっと作ってぇ〜？ねぇ〜え〜」

貴『二人してお婆さんに寄って集らないでくださいよ…』

白石「食べたらわかるよぉ〜〜？食べるぅ〜？」

貴『いえ、いいです…』

杉元「食べないと傷も治らないよぉ〜〜？」

貴『いえ、治るので大丈夫で……やめ…ヤメロォ！』

ミツキは完全に酔っている二人によって口にお婆ちゃんの口噛み団子を捩じ込まれた。