【金カム】坊主頭に興味が湧いて弐 (ページ24)

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73話　身代わりページ24

鯉登「……なっ！！？」

鯉登が刺すためにキロランケに向けたマキリの刃を、ミツキは自身の右手を犠牲にして受け止めていた。

キロ「…ッお前…！！」

鯉登「…！！女…っ！？」

その瞬間、パンと銃声が鳴り響く。

貴『っ…ぁ……あ…れ…？』

キロ「ミツキッ！！」

その場にどさりと崩れ落ちるミツキ。
鯉登とキロランケは突然の状況に、呆気に取られてしまう。

谷垣「…っ！あれは…峰山…！？」

鯉登「っ！谷垣！！撃て！！」

アシ「待ってーーッッ！！！」

キロ「……アシㇼパっ！！」

アシㇼパの静止する声が聞こえ走ってくる。

白石「…！！ミツキちゃんッ！？」

杉元「なにが起きてやがる…っっ」

すんでのところで杉元達が追いつき、キロランケとミツキに向かって走った。
血を流し倒れているミツキを、白石が駆け寄り抱える。

白石「ミツキちゃんしっかりしろっ！！どこを撃たれたんだ！？」

アシ「急げ！！二人とも止血するぞ！！」

幸い、ミツキが庇ったおかげかキロランケは手当てを終えた後も意識を保っており、ミツキが自分を庇った際に撃たれたのだと事の経緯を話した。

アシ「…そんな……っ」

白石「途中ではぐれた時…ッ無理してでも探せば良かった…！！」

薄れゆく意識の中で、苦しそうにそう言う白石を見た。

涙と鼻水垂らしちゃって……きたないなぁ…

貴『…ふふ……』

白石「！！ミツキちゃん…！！まだ意識があるぞ！！」

貴『…きろ…らんけは…？』

白石「深傷を負ってはいるが、なんとか生きてる！！ミツキも…！今止血してやるから…ッ！！」

無事だったか…
少しは役に立てたかな…

貴『よかっ…た……』

白石「くそ…っ！！アシㇼパちゃん！布が足りねぇ！！これじゃ止血が間に合わねぇよ…！！」

アシ「杉元！止血できるものは無いか！？」

なんだかねむい…

不思議と痛くないからか、眠気で段々と視界がぼやけていく。
慌ただしい声を聞きながら、ミツキは意識を手放した。

……
………

あれ…ここは…

小樽…？

「昨日のイトウのヌシ、美味かったなぁ〜」

『ねぇ…白石さんって、口笛吹けるの？』

「…？吹けるよ？それがどうかした？」

『……私…吹けないから……お…教えて欲しいなぁ…みたいな……』

「…！可愛いミツキちゃんの頼みとあれば、お安いご用だよぉ〜」

あぁ…懐かしいなぁ…

イトウのヌシを、キロランケさんが仕留めて皆で食べた日の翌日だ…