【金カム】坊主頭に興味が湧いて弐 (ページ23)

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72話　救出ページ23

白石が固く瞑っていた目を開けるとそこには、全速力で走ってきたのか顔を赤くし息を切らすミツキと、久しぶりに見る見慣れた傷の男がいた。

杉元「…よう、白石由竹……また会ったな」

貴『はぁ…なんとか…間に合った……！』

白石「！！！ミツキちゃんっ！！杉元佐一ぃっ！！」

白石は喜びのあまりガバッと二人に抱きつき、後ろへ三人共に転ぶ。

白石「んもぉ〜っっ！！まじで不死身かよオメェ〜っっ！！ミツキちゃんもさぁっ！！あそこからよく追いついたよねっっ！！」

貴『ぅっ鼻水…っ』

そんな喜ぶ白石に杉元は笑っていたが、すぐにクワッと形相を変えて白石を揺さぶる。

杉元「アシㇼパさんはっ！！？？」

白石「あ、あぁ…！一緒だぜ！アシㇼパちゃんはこの先にいる」

貴『キロランケさんと尾形さんもいます』

その名前を聞いた瞬間、杉元が顔色を変えた。

白石「…尾形は杉元が死んでいるのを近くで確認したって…アシㇼパちゃんにもそう言ってたんだぜ？」

杉元「……あの野郎が俺を撃ったんだ」

「！？」

ひょっとしたら、と考えてはいたが…。
まさか本当にそうだとは思わなかった。

杉元「隣にいたアシㇼパさんの父親も…キロランケと結託してな」

白石「…！？なんてこった…」

貴『なら早く向かわないと…っ！』

杉元「あぁ…！アシㇼパさんを取り戻すぜ！」

白石「あれ、こいつリュウか？」

貴『わ、リュウ〜！相変わらず可愛いね』

ミツキは「ワフ！」と鳴くリュウをわしゃわしゃと撫でてやる。

杉元「行くぞ！」

そうして杉元と白石、ミツキ達三人は、アシㇼパ達の元へと急いだ。

白石「あれ、ミツキちゃんは！？ミツキちゃーん！！」

杉元「くそ…見失ったか」

暫く進んでいたところ、吹雪いているせいで視界が悪く、ミツキは杉元と白石の二人を見失ってしまった。

貴『はぐれたか……銃声…！』

ミツキは銃声がした方向へと走って向かった。

…

「おのれよくも私の部下達をッッ！！」

見知らぬ男の叫びが聞こえ、その男の上に馬乗りになるキロランケが視界に入る。

その瞬間マキリが、彼の首へと目掛けて振り上げられた。

貴『っキロランケ…っっ！！』

それと同時に、ミツキの体は勝手に動いていた。