66話 コイントス ページ17
ひとりモヤモヤと考えを巡らせていると、キロランケに声を掛けられる。
キロ「峰山はどうするんだ？勿論白石についていくんだよな？」
貴『え、なぜ？』
キロ「何故も何も、お前ら二人そういう関係なんだろ？夜なんてくっついて寝てたじゃねぇか、見せつけやがって」
貴『な…っ！あ…あれは別にそういうものでは…！寝不足だったから…！』
顔を真っ赤にしあたふたするミツキに、「青いねぇ〜！」とキロランケが笑い飛ばす。
貴『わ…私は……
……硬貨で決めますわ…』
「は？」
貴『表が出たらアシㇼパさん達と、裏が出たらここで別れます！さあこい！』
アシ「はぁ…峰山…お前みたいなのを優柔不断って言うんだぞ」
アシㇼパに正論をかまされながら、硬貨を上に投げる。
手の甲で硬貨を受け止める。
貴『……表だ。私はアシㇼパさん達についていきます』
白石「えぇ？そんな…！俺との関係は遊びだったのね！」
貴『そもそも"恋人"なんてただの嘘の設定だったじゃないですか…。
とにかく、白石さんがいてくれたおかげで毎日楽しかったですよ、ありがとうございました。
……次会った時は器の中身、残しといてくださいよ』
白石「ぇ」
ミツキはそんなことを白石にボソリと言い残し、既に先を歩き始めていたキロランケ達を後ろから追いかけていった。
アシ「いいのか？好きなんだろ？」
貴『べ…別にぃ……それに探し物も…気になりますし…』
キロ「…さっきの占いか。その探し物ってなんのことなんだ？」
そんな話をしていると、後方から声がする。
白石「待ってーー！！」
アシ「白石だ！」
貴『白石さん？！』
キロ「なんだぁ？気が変わったのかぁ？」
白石は必死に走ってきたのか、ぜーぜーと息を切らしながらも口を開く。
白石「…ミツキちゃん…！さっきの話について…もうちょっと詳しく…！」
「？」
何の話か知らないキロランケ達がミツキを見る。
貴『え？何の話ですっけ』
白石「え！？そ…そんなこと言わずに…！ミツキちゃん！」
貴『知らないですね…それよりもう行きましょうよ、私お腹空きました』
アシ「私もだ！また山トナカイの脳みそ食べたいな！」
貴『アシㇼパさん、本当に脳みそ好きですね〜』
白石はあっけにとられてポカンとしていたが、ふと我に帰りミツキ達についていった。
白石「ね…ねぇ〜？ミツキちゃ〜ん？さっきの…器の話〜…あれってさぁ…」
貴『あ、山トナカイ！』
白石「…クーン…」
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作者名：ちあきんぐ | 作成日時：2024年3月2日 7時
