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最初にこの禁術を思いついたやつもイカレてるけど
闇に繋がれた寂しさからなのか
誰かも巻き込みたいと思った堕神の心理も大概イカレてる
いや、堕神には慈しむ心なんてものはないのかもしれない
この世を恨んで憎んで絶望して死んで行ったから
___怨霊みたいなものかな、趣味悪い
「俺はAがこの先も死んでも死にきれずにいる方が辛い。
それとも母さん達はAには悲しい過去に囚われたまま
暗がりの中で生きて、いつの日か今日みたいに人を殺し
変わり果てた醜い姿で暴れて欲しいのか!?」
お義兄さんの剣幕に2人は黙りこんでいた
「私も賛同しよう」
それまで黙っていたお義父さんがそこで口を挟んだ
「貴方…!」
「私はAを利用する為にこの子を育てたわけじゃない。
それは陽子、君が1番そう思ってるんじゃないのか」
「っ……でも大翔を利用する為に育てた訳でもありません。
どの子も私にとっては平等に可愛い子どもです!!!」
「だったら尚のことだろう!!!」
怒鳴るお義父さんにお義母さんは驚いた顔を浮かべていた
「こうなった以上、誰かが責任を持つのは当然だ。
それは禁術を使ったAが1番持たないといけない。
だが元を正せば伝統とはいえ
禁術を持たせた私達も責任を持たなければならない。
違うか。陽子」
「……」
「君は嫁いだ身だから
真那井の薄汚れた歴史に巻き込んだことは悪いと思っている。
だが君も真那井家の妻として3人の子を育て上げた、違うか?
いやいや育て上げたのか?」
「……いいえ」
「陽子が嫌なら今ここで離婚してもいい」
「それは嫌です!!!!」
声を荒らげたお義母さんは自分の声に驚いたのか
我に返ったかのようにハッとした顔をうかべる
「……ならばA1人にその責任を負わせるな。
私達がそう育ててしまった子なんだ、使った以上
私達家族も一緒にその泥を被ろう」
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