検索窓
今日:13 hit、昨日:6 hit、合計:22,737 hit

ページ14





「じゃあどうして2人は生きてると思ったわけ?」
「若奥様が私共にそれぞれ式神を与えていたのです」
「…式神?」
「そ。この式神は主を失った時
指示するものが消えた困惑から暴れ出すから
私に何かあった時、この式神で分かる。
Aはそう言って渡してきた」
「しかしこの式神は若奥様の訃報が流れても
動くことはなかった為
A様が生きていることを確信したのです」
「たった…それだけで…?」
「それだけあれば十分ですよ」



ただ…



「Aがどこまで無事なのかは分かりません。
辛うじて生きているのか、あるいは無傷で暮らしているのか
そこまで読めないのが難点な部分ですよ」
「…そう」




___加茂家・本邸



「ただいま」
「傑!お帰りなさい」



菖蒲色の色無地に金基調の鳳凰の帯を纏った女が
その屋敷の主人を出迎えた



「出迎え方がすっかり板についたね、A」



男は満足そうに笑を零しながらゴツゴツと骨ばった手で
透き通る白玉のような肌の頬をなでる



「傑もすっかり御当主様になっちゃって」
「守るものができると気が引き締まるものだよ。
お腹の子はどうかな?」
「順調みたい。最近は悪阻も収まってやっとご飯を食べれたの」
「それなら良かった」



満足そうに呟く男に女はニコッとまるで少女のように笑った
年が開ければ28になるというとに
まるで16歳の少女のようなあどけない動きを見せる女に
男は口を開いた



「楽しそうだねA」
「だって傑が帰ってきたんだもん」
「寂しい思いをさせてすまない」
「いいよ」



そう言いながら自身の胸に飛び込んでくる女を
男はしっかりと抱きとめた



「今こうして傑に触れられるから」



心底幸せそうな顔でそう告げる女に
男はため息混じりに微笑んだ



「君には驚かされるばかりだ。
御三家の妻になったんだから少しはひとり立ちをしてごらん」
「御三家……」



反芻する女に男はしまったと言わんばかりの顔を浮かべた



「五条さんは元気してる?」
「悟?」
「うん。確か御三家の人でしょ?」
「そうだね。元気してるんじゃないかな」
「……会ってないの?」
「お互い忙しいからね。中々会えないんだ」
「そっか」
「君が気にすることじゃないよ。
もう昔のように親友ってだけじゃない。
これは当主間の問題だからね。
ほら、体に障るよ。向こうの部屋でゆっくりしてよう」



そういうと男は彼女の腰を引き寄せて奥の間へと進む



女は何を疑うことも無く笑顔でその腕に抱かれたまま
部屋の奥へと消えていった



amnesia→←〃



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (37 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
242人がお気に入り
設定タグ:夏油傑 , 五条悟 , 呪術廻戦   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作者ホームページ:http  
作成日時:2023年5月30日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。