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「…。」

少女は目を覚ました。
見知らぬ部屋、独特の薬品の臭い。
どうやら病室らしい。
あの後少女は泣き叫び、気絶してしまった。
それを与謝野と安吾が病院へと少女を運んだ。

「……夢じゃ…ないんだ…。」

愛する人が目の前で息を引き取った事、太宰が織田作と偽り、自分はそれにすがって真実から逃げていた事、全てを思い出した。


「___!!」

「____!?」

病室の外で言い争いが聞こえる。
太宰と安吾の叫び声だ。

「何故彼女に余計な事を言った!!」

「余計な事とは何ですか!元はと言えば君があんな嘘をつかなければ!!」

「よしな!ここは病院なんだよ!」

「っ…!」

「…。」

与謝野の一言で二人は黙り込む。

「…安吾はもう帰ってくれ。」

「……わかりました、失礼します。」

安吾は病室に入ってくる事なく、帰ってしまった。
知らなかったとは言え、安吾も責任感を感じているのだろう。


「…A!」

与謝野と太宰が病室へ入ると、目を覚ましている少女に慌てて駆け寄った。

「よかった…。」

太宰は喜びを見せるもどこか悲しげな表情。
そんな太宰に少女は胸を痛める。

「A、ごめん…私は……ずっと君に嘘を…。」

「ごめんなさい…。」

「え…。」

「悪いのは全部私。治の嘘、本当はわかってた。織田作が死んだっていうのもわかってた…。でも信じたくなかった…だから治の嘘にすがって…自分を偽って…。だから治は悪くない…、悪いのは心が弱い私…。」

少女は涙を流す。
ズキズキと胸が痛む。
少女の心は黒く染まっていく。


悪いのは私……私がいなければこんな事にならなかった。
ワタシガキエレバ…モウダレモクルシマナイ…。

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にゃあめ - 素敵な作品をどうもありがとうございました! (2021年2月15日 19時) (レス) id: bcb659b3e6 (このIDを非表示/違反報告)
れんれんれれれ(プロフ) - 感動しちゃって只今涙目です!! ほんとにほんとに最高のお話でした!! (2017年10月9日 15時) (携帯から) (レス) id: f40e23ddec (このIDを非表示/違反報告)
午後の猫茶(プロフ) - みぃさん» 似てないかもしれませんという意味です。紛らわしくてすみません; (2017年10月4日 10時) (レス) id: d26337f2bc (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 午後の猫茶さん» あ、エセって意味じゃなかったらすみません。 (2017年10月4日 4時) (レス) id: d62fbb3902 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 午後の猫茶さん» 違います。 似非が非似になってるんです。 (2017年10月4日 4時) (レス) id: d62fbb3902 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:午後の猫茶 | 作成日時:2017年9月29日 11時

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