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□階段□ ページ47

傾斜を風を切って駆け抜ける。
ふわ、と浮かんだような感覚にとらわれた。

下に降りると楽しそうな笑顔が眩しい皆の姿


「ちょっとみもりーん!」
「わ、ごめんごめん」
「変な物入れないでよ〜」
「美味しいからいいのいいの」


会話が途切れなく聞こえてくる。
私はヘッドフォンを片手で首に下げ、ジャケットのポケットに手を突っ込みながら皆の方へ歩いた。

どんどんと距離を縮め、声が大きく耳に届く。


ある生徒がふとこちらを向いた。目が合い、生徒は素早く視線を反らした。その生徒の行動に不思議に思った皆が、徐々に私の存在に気づき始める。さっきとは一変、あの賑やかな声がぽつりぽつりと小さく消え失せていく。

私はゆっくりと歩んでいた足を止めた

美森「あれ、皆どうしたの?」

間抜けな声を出す背を向けていた美森が私の目線と合う。

「あ…A、ちゃん」


そわそわする春菜ツバメとどうしたらいいか困る美森。その後ろの皆の私に注ぐ視線


皆の表情を打ち破るそんな勢いで笑って美森たちの元に駆け寄っていく。
突然のことに目を丸くする皆


あ「本当に美味しそう。…てか、何て顔してんの皆して」

釜戸を覗いたあと、皆の顔を見てそういう。え、と顔中をペタペタ触り出す皆


美森「A、どしたの?…その顔はお腹すいたのか!」

美森に当てられ、当たり!、と体を引いて指を指す。いつもよりオーバーリアクション

あ「いい匂いにつられて降りてきたんだ。絶賛腹へり中」


私の様子を見た油森くんは湯気のたったシチューとスプーンを差し出した。

「…Aちゃん、食べる?」

震えた手で抱える油森くん。彼の手からそっとシチューとスプーンを受け取った。

「Aちゃんもやっぱり文化祭したかったんでしょ?」
油森くんの後ろから顔を出す春菜ツバメ

私はそれを無視して熱々のシチューを口に運ぶ

あ「…はぁ…美味い」

でしょでしょ?、皆で騒ぐ美森

あ「いやぁ美味しい。腹減り過ぎて耐えられなかったんだよな」
シチューを半分くらい食べたとき、一旦手元を止めた。

あ「文化祭には興味ない。けど、このシチューには興味ある…」

美森「よだれよだれ!」
垂れてないけど拭く素振りを見せる

訳わからない会話は置いておいて。
私は油森くんの近くに駆け寄った。

「あ、」

あ「強くなったな、油森くん」

「え?」

あ「自分の意思持って行動してる。よかった」

【file:香田美森】【file:油森哲夫】









【ファイルが消去されました】

■廊下■→←□階段□



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SNOOPY@菅田くん本気愛。(プロフ) - YUIさん» はいっ!応援ありがとうございます♪ (2015年3月17日 23時) (レス) id: c8b02da013 (このIDを非表示/違反報告)
YUI - SNOOPY@菅田くん本気愛。さん» 頑張って下さい! (2015年3月17日 19時) (レス) id: 53cb766e24 (このIDを非表示/違反報告)
SNOOPY@菅田くん本気愛。(プロフ) - YUIさん» ありがとうございます!ゆっくりですが頑張ります★続き楽しみにしててください笑 (2015年3月15日 21時) (レス) id: c8b02da013 (このIDを非表示/違反報告)
YUI - 更新頑張って下さい(p^-^)p続き気になります! (2015年3月15日 20時) (レス) id: 53cb766e24 (このIDを非表示/違反報告)
SNOOPY@菅田くん本気愛。(プロフ) - miyuさん» ありがとうございます♪ 私も大好きです夏樹くん!嬉しいです、頑張ります! (2015年2月21日 20時) (レス) id: c8b02da013 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:SNOOPY | 作者ホームページ:SNOOPY  
作成日時:2015年2月6日 21時

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