ひ ね く れ 兎 。【学校のカイダン】

■廊下■ ページ48

3月14日、本日はバレンタインデーから1ヶ月経ちました。世間一般で言う、ホワイトデーと言うやつです。

そして、寒空に立つ彼女が1人。3月といってもまだ肌寒く、コートが手放せない。時折春を匂わせた風が吹く。


あ「否、待たせちゃダメだろ、そこは」


寒さに耐えられず門を開け、急いで玄関に入った。パタン、と閉まり静まり返る家の中。玄関から繋がる廊下は物音1つしなかった。

当たり前か…親は仕事でいない訳だから。

上下の鍵を厳重にかけ、靴を揃えて部屋に戻った。ベットにコートを置き、凭れかかる。


何故私が外に出る必要があったか、そして何故部屋に戻ってきたのか。答えは10分前に遡る。

いつも通りの朝を迎えた。体を起こすと、1つだけ毎朝と違うことがあった。

《ﾌﾞｰﾌﾞｰ》

本の上で震え、音が聞こえる私のスマホ
何かと手を伸ばし、画面を開くと

【8:02着信 須堂夏樹】

夏樹から着信があったようだ。
8時2分か、朝からかよ、と時計を見ると

あ「10時20分?!」

思わず飛び起きた。着信から2時間以上経っていた。ヤバイ、と思い夏樹にかけ直す。

1コール、2コール、3コール…
4コール目で声が聞こえた。

《もしもし》

あ「ごめん、ちょっと寝過ごした」

《朝からかけて悪いな。今日3月14日だろ、ホワイトデー。今からお前ん家行く》

あ「は?」

《んじゃ、待ってろ》

あ「は?否、待てよ！今起きたってい」

強制的に通話を終了された。
突然すぎて意味がわからない。電話を掛けたら今から行く、と一方的に切られました。

おいおい。今から来る? 夏樹の家から私の家まで精々20分程度…

あ「やべぇ！」

今さら、事の重大さに気づく。後約20分、ダッシュで着替えます。

クローゼットから適当に服を選び、ベットに並べていく。寝癖で爆発した自分の髪型をドレッサー前で見て驚きのあまり声を出す。

あ「こんな日があるのか」

余りの酷さに固まる私。でも時間は刻々と迫っていて。ヘアスプレーやストレートアイロンで爆発をストレートに戻す。

後10分。本気で急がねば

髪を戻しベットの上の服を掴む。上下凄い勢いでルームウェアを脱ぎ捨てる。ただ家に来るだけならまだましだったけど、夏樹の事だからきっと。強引に外に連れ出すだろう。実際、これまでそういう事があった訳だし。

服に袖を通していると、スマホがなった。画面には夏樹、直ぐ様手に取った

あ「もしもし」

《その後外出るからな。後、今Aの家の前》





…まじかああああ！

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