【ポケモン】らっこ家生態大暴露。４【オリキャラ】 (ページ28)

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クレハside

コウハ「ッさぁ始まりますはらっこ家一号VS三号による布団大決戦！実況は俺、らっこ家が誇るイケメン長男だぜ！かつては共に高めあった仲、しかし今日という日は互いにけじめを付ける模様！果たして勝利の女神はどちらに微笑みどちらを殴るのか！お楽しみに！！」

オウハ「多い多い多い…」

二人の前に座り準備が整った事を私が告げると、兄上は一度周囲を見渡した後手をマイクに見立てて二人を囃し立てた。櫛で髪を梳きながら姉上は呆れたようにため息を吐いて、そして私の髪を取っていく。ユズ君も慣れた手つきですくい取り、量の配分を考えてか指を動かした。

クレハ「んふふ……」

ユズリハ「………えぇ……」

二人の指が自分の髪を絡め取っていくのが絶妙に心地よく、つい顔に出てしまった。無口なユズ君にえぇとまで言わせる気持ち悪さだったじゃろか。否、こういうのは気にせんが勝ちじゃの！

オウハ「あらユズ、自分ので練習とかしなくても良いの？あたしはもう大丈夫だけれど…」

ユズリハ「……良い。」

オウハ「そう。」

煽りか心配かどっちとも取れぬような声色で姉上が言ったが、自らの髪を耳に掛けながら特に迷いの無さそうな声でユズ君は答えた。顔は見えぬものの緊張しているような素振りはどちらからも感じ取れず、逆にこっちの背筋が正される思いだった。

コウハ「さぁさぁいくぜ！準備は良いなクーたろ！はいよーい…」

どん、そう兄上が元気よく叫ぶと同時に、細やかな作業の為される感覚が髪を伝ってきた。ただただ三つ編みが生成されていくだけの戦いだが、それでも興味が無いわけではない。二人が編む姿を見てみたくてうずうずしてしまうが、両手をぎゅっと握って抑え込む。

コウハ「ウワーッ、な、え、えぇすっげぇなお前ら…はっや…」

クレハ「あ、兄上！実況をば…」

コウハ「あっすまんクー！んっとな、いやもうすげぇの。あ、あ、あー、あーもう出来るなこれ。」

クレハ「兄上ぇえ……」

私と同様に、兄上も興奮すると一気に語彙力を失う性質。私が似たんじゃろうが、傍から見るとこんな感じだったんじゃろかと客観的につい見てしまった。全然伝わらぬし、でもなんかおもしろいの。

コウハ「あっ！あー…」

クレハ「？」

何となくそんな気がして、そろそろ編み終わる頃かと考える。案の定、片方の髪が纏まってぱさりと下ろされた。

コウハ「カンカンカンカン！はいチャンピオーン！」

クレハ「！！」

背後で兄上が誰かの腕を高らかに持ち上げた。そちら側から聞こえたのは。

ユズリハ「……出来た。」

ユズ君の満足げな声だった。