【ポケモン】らっこ家生態大暴露。４【オリキャラ】 (ページ27)

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オウハ「もうっ、ユズ！貴方ねぇ、睡眠にも限度っていうものがあるのよ？寝てばかりじゃダメなの！」

ユズリハ「……………」

クレハ「ユズ君ー…早く起きると、その分いっぱい遊べるぞよー…？」

ユズリハ「……………」

姉妹が何を言ってもユズリハは口を閉ざし、その布団を握る力を緩めようとしない。いつもながら頑固な子だ、と皆が半ば諦めようとした矢先、長男が何かを閃いたように人差し指を立てた。

コウハ「分かった！ユズリハ、お前オウハと勝負しろよ！」

藪から棒に勝負という単語を出され、顔を歪めない弟ではなかった。あからさまに不機嫌そうに口を尖らせてユズリハは言う。

ユズリハ「……勝負、…って。…僕勝負事は好きじゃない。バトルもそんなに、しないの……知ってるでしょ。」

コウハ「ばーか違ぇよ。勝負と言ってもポケモンバトルじゃねぇ。名付けて……」

いやに勿体ぶったコウハは満足顔で、その名も三つ編み対決だ、と言い放つ。しかし姉弟の頭にはクエスチョンマークが浮かび、なかなか受理されなかったらしく。

オウハ「何よ、三つ編み対決って。」

ユズリハ「……………寝る。」

コウハ「待て待て待て待て」

いつもより冷たくあしらわれてしまった。しかし諦め悪いのが彼の長所であり、めげずにすぐさま妹を呼び寄せて言い重ねる。

コウハ「ルールは簡単！ここにクレハが一人居る！どちらが早くクレハの髪で三つ編みを作れるかっつー勝負な訳だ！」

四兄弟の中で髪に三つ編みを施しているのは丁度オウハとユズリハのみ。オウハは緩く右肩のあたりで、ユズリハはぴっちりと左の前髪を編んでいる。そのヘアスタイルを日常にしている二人ならば、当然三つ編みというものは他の二人を含む周囲の人間よりは得意な方であり、かつそれでいて勝負として起用するには簡単であった。

その長男の提案に真っ先に反応したのは姉のオウハ。先刻の気迫とは打って変わったとろけるような笑顔で、珍しく弟の提案に乗った。

オウハ「あらぁ…クレハの綺麗な髪で三つ編みをねぇ……あたしは嬉しいぐらいなのだけれど、良いのクレハ？」

クレハ「大丈夫じゃよー！まだ結っておらぬし、本日はおさげじゃな！」

コウハ「ユズリハ、これなら布団から出ずに簡単に勝負出来んだろ！どーだ、いっちょやってみろよ！」

どうだ、と言うがもはや空気がそうさせているように彼には思えた。少々面倒くさい気もするが、要は勝てば良いのだ。いつも通り三つ編みをすれば良い。そう言い聞かせてユズリハは布団から身を乗り出した。