【ポケモン】らっこ家生態大暴露。４【オリキャラ】 (ページ17)

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オウハside

クレハ「ほい姉上！これで最後じゃ！」

オウハ「はぁいありがとうクレハ〜！貴方は本当に良い子ね！」

クレハ「んふふ、良い子じゃよ〜！」

晩御飯を食べ終えてお皿洗いをしていると、愛しのクレハが最後の器を持ってきてくれた。あまりの良い子さと可愛さに見事胸を撃ち抜かれたけれど、頭を撫でるだけに留めておいたわ。

オウハ「ありがとうね。…あぁ、そうだ。コウハから連絡が来たから外に出ておきましょうか。もう少しで着くはずだから…」

クレハ「御意！じゃあユズ君も呼んでくるの！」

オウハ「えぇお願いね！」

はぁなんて良い子なの…あの子があたしの妹だなんて勿体ないわね……まぁどこにやるつもりも無いのだけれど……

なんて考えながら全部の食器を拭き終わって居間に出ると、もうユズもクレハも縁側に座ってお茶を啜っていた。

クレハ「姉上もどうぞですじゃ！」

オウハ「ありがとう。…あら、良い夜じゃない。」

ユズリハ「………」

クレハから湯呑みを受け取り隣に座って、同じように空を見上げた。雲がすっきりと晴れた大海には月の舟が、月明かりが照らす小池には庭の桜の花筏が浮かんでいる。

そうね、こんな夜はブラッキーとか…ジュペッタも好みそう。

クレハ「兄上は日帰り旅行だったんじゃな。ぶらり旅と申すから何週間も旅するのかと…」

オウハ「あぁ、実際ぶらり旅って目的を持たずにふらつく事だし……らっこがただ単に使いたかった言葉だっただけみたいなのよ。」

クレハ「なんとそうじゃったか！…およっ？」

突然クレハのしっぽが何かに反応して跳ね上がる。じっと空を見つめるので何事かと思ったが、すぐにその理由を知る事となる。

オウハ「あぁ…来たわね。」

ユズリハ「…………」

ポケモンに乗る人影が一つ。暗い中でも月明かりを頼りにすれば目視出来た。その手には何か紙袋を持っているみたいで、ぶんぶんと振り回してはアピールを施してくる。影だけでもあのアホさが溢れ出せるのはもう我が愚弟しか居まい。

徐々に姿は大きくなりこちらに近付いてくる。どうやら笑っているらしい、おじさん達に顔を見せに行くと言っていたけれど何か他に良い事でもあったのかしら。

クレハ「兄者ーっ！おかえりなのじゃーっ！」

コウハ「よーっすクーたろー！」

トロピウスが着地し風が舞う。その背に広がる星々と相俟ってより美しく見える夜空はやはり森の中ならではの光景か。

畢竟するに、今夜は天満月(あまみつつき)の一等輝く良夜(りょうや)だったという事だ。