Story14.ポケモンの為に。-想来-１ ページ7
―六年後―
ユズリハside
何気なしに目を遣った電光掲示板で、今日が何の日かを思い出した。
ユズリハ「………」
一度ぴたりと歩みを止め、その流れる数字を心の中で反芻する。持っていたショップの買い物袋ががさりと雑な音を立てた。
…間違いは無い、やはり今日。正直用意するのを忘れていた。しかしこれでも毎日忙しい身なのだ、許して欲しいと思う気持ちも湧いてくる。
ユズリハ「………」
まぁしかし陽気で大らかな性格だから多少は許してくれるだろうと自己解決し、また再び帰路に戻る。
その瞬間、僕を呼び出す音が腕の方からけたたましく鳴り響く。いつしか、僕がどんな時でも気付けるようにとあの人が設定してくれた音量だ。…実は先日少しだけ下げさせて貰ったのだが。
ユズリハ「…はい？」
なんて事を考えながら画面に映る名前を確認し、とん、と指で触れ答える。
「あッ、ちょっとアンタどこほっつき歩いてんスか！次自分の番なんスけど！？」
…画面を顔に近付けた途端に離れさせたくなった。もう少し静かに話してはくれないだろうか。
ユズリハ「…もうそんな所まで来てるの？」
「ハイ、皆スコンスコンスコーンッスよ！」
ユズリハ「擬音語のパレードやめて…」
「スマセン！…いやとにかく早く帰ってきて下さいよ！？ていうか今どこほっつき歩いてんスか！？」
ユズリハ「…うん、今は………ここは…家の前…？」
とは言いつつ話しながら歩いているので厳密には今はその家から少し離れているのだが。
「ハァ！？家の前だぁ！？範囲広すぎて分からないんで！もっと具体的にお願いします！！」
ユズリハ「じゃあまずはそのテンションと音量下げて……」
誰のせいだと思ってんスか！と、さらにぎゃんぎゃんと鳴き返された。
眉を顰めて画面を覗き込むと、やはり案の定僕よりもさらに眉を顰めた彼の怒った顔が見える。一つだけ長いため息をついて落ち着き、周りを良く見渡した。
ユズリハ「…なんか、海が見える。それからこの町の大樹に…」
「アッハイ分かりましたんで！今すぐ向かうんで動かないで下さいっスよ！」
ユズリハ「…んー、無理っス。」
「ハァ！？」
またぴたりと足をを止めた。今度はちゃんと意図を持ってだ。
なぜなら。
ユズリハ「もう目の前まで着いたから。」
「んんんマジか。」
ユズリハ「じゃあ切るね。また数分後ね。」
「あッちょっ、」
ユズリハ「………」
僕は町を代表するその大きな施設の入口に足を踏み入れた。
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らっこ(プロフ) - いつの間にか順位が付いておりました！閲覧・評価して下さった多数の方々、ありがとうございました！！話の関係でこの場でのご報告、お許し下さい。(また感謝イラストが描けたらいいなって思ってます(*´`)) (2019年8月28日 22時) (
レス) id: 42979ffc68 (このIDを非表示/違反報告)
らっこ(プロフ) - 87様さん» 閲覧頂きありがとうございました！彼は結構複雑なタイプですが、好きな物には真っ直ぐな子ですので！よろしくして頂けると幸いです(*´`)彼にはこれからの自分の辿りたい道を見つけて頂きたいものですね…！|ω`) (2019年8月14日 20時) (レス) id: 42979ffc68 (このIDを非表示/違反報告)
87様 - この作品好きです！ユズリハ君推しますね←ユズリハ君の将来はジムリでしたか…！俺得回でしたありがとうございました。← (2019年8月14日 20時) (レス) id: 1eaad9c94d (このIDを非表示/違反報告)
マジカルパティシエクッキー(プロフ) - らっこさん» わかりました！了解です！ (2019年7月28日 4時) (レス) id: ea02e12f92 (このIDを非表示/違反報告)
らっこ(プロフ) - マジカルパティシエクッキーさん» すみませんが一旦ボードの方でお話しても大丈夫でしょうか…？ (2019年7月27日 22時) (レス) id: 42979ffc68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らっこ | 作成日時：2019年7月7日 18時
