17 ページ47
No side
トロピウス「…なしてか騒がしそうやばってん、何かあったと…?」
ポケモンフーズが入っているお椀から頭を離し、トロピウスが不思議そうに遠くを眺めた。その視線の先にいるのは五人のトレーナー達で、自分の周囲には彼ら同様にご飯を食べるポケモン達だ。
先程からトレーナー達は叫びを交わし始めている。
エルレイド「…さぁ。俺今飯食べるのに必死だから聞いてなかったばってんばってん。」
ムーランド「わしがちょいと聞いてきてあげよう。」
ウインディ「悪い、頼んだ。」
合点承知之助なのじゃ!そうひと鳴きしてムーランドはとことことその場を離れる。
エルレイド「…んで、そっちは食べねぇの?」
ムーランドが五人の傍に近付きふんふんと話を聞いている間、エルレイドは違った方向に目を向ける。
ルカリオ「……此奴に変な物は食べさせられない。」
目の前に置かれたポケモンフーズを訝しげに見つめるルカリオ。その後ろではエネコロロが困ったような表情をしている。
ウインディ「別に変な物なんか入ってねぇぞ?」
エルレイド「そうだぞー。別に普通だってのに……一体毎日どんな良い物を食べてるんだよ。」
ルカリオ「…違う。知らない匂いなだけだ。」
エルレイド「あー、そりゃあオウハのオリジナルブレンドだからだろうな。まぁ騙されたと思って食べてみろって。」
ルカリオ「騙されないようにするのが俺の役目だ。」
サーナイト「…味なら私が保証致します。」
エルレイド「エネコロロちゃんもお腹空かせた顔してるぞー。」
まだルカリオは渋っている。すると、エネコロロがしなやかに躍り出てきた。
エネコロロ「…ルカリオ、私は大丈夫、ですから。」
ルカリオ「でもだな…」
エネコロロ「折角、ですから。出して下さったんです、頂きましょう?」
そのエネコロロの二言だけで、ルカリオの重かった腕はやっとそれに伸ばされた。
ルカリオ「……!」
それを口に含んだ途端に、ルカリオは目を見開いて驚いた表情を浮かべる。そして口内をもごもごとさせた後、フーズの入ったお椀をエネコロロの前に差し出した。
エネコロロはこくんと頷いて一口食べた。
エネコロロ「…大丈夫、でしたね。美味しい、ですね。」
ルカリオ「……」
ルカリオは否定も肯定もせず、ついとそっぽを向いた。
エルレイド「俺達の勝ちだぜ。」
トロピウス「腹が減っては戦ができん……やけんね。」
ウインディ「……戦?」
6人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「短編集」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
らっこ(プロフ) - いつの間にか順位が付いておりました!閲覧・評価して下さった多数の方々、ありがとうございました!!話の関係でこの場でのご報告、お許し下さい。(また感謝イラストが描けたらいいなって思ってます(*´`)) (2019年8月28日 22時) (レス) id: 42979ffc68 (このIDを非表示/違反報告)
らっこ(プロフ) - 87様さん» 閲覧頂きありがとうございました!彼は結構複雑なタイプですが、好きな物には真っ直ぐな子ですので!よろしくして頂けると幸いです(*´`)彼にはこれからの自分の辿りたい道を見つけて頂きたいものですね…!|ω`) (2019年8月14日 20時) (レス) id: 42979ffc68 (このIDを非表示/違反報告)
87様 - この作品好きです!ユズリハ君推しますね←ユズリハ君の将来はジムリでしたか…!俺得回でしたありがとうございました。← (2019年8月14日 20時) (レス) id: 1eaad9c94d (このIDを非表示/違反報告)
マジカルパティシエクッキー(プロフ) - らっこさん» わかりました!了解です! (2019年7月28日 4時) (レス) id: ea02e12f92 (このIDを非表示/違反報告)
らっこ(プロフ) - マジカルパティシエクッキーさん» すみませんが一旦ボードの方でお話しても大丈夫でしょうか…? (2019年7月27日 22時) (レス) id: 42979ffc68 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:らっこ | 作成日時:2019年7月7日 18時