【ポケモン】らっこ家生態大暴露。【オリキャラ】 (ページ43)

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Story11.雨の日やだの日あったかい日１ページ43

ブースターside

ブースター「…あぁあ………」

その日わたしは、しとしとと降る雨の音で目が覚めた。

ぐっすりと気持ちよく寝ていたのに。わたしはこっそり眉をひそめた。

【Story11】雨の日やだの日あったかい日

まだ薄暗い部屋の中、むくりと体を起こして静かに縁側に歩み寄る。

ブースター「やだなぁ…雨やだなぁ……」

そう零れた本音は、降りしきる雨の音に掻き消されて多分誰にも聞こえていない。

と、思っていたのだけど。

レントラー「……ブースター？どうしたんだい？」

ブースター「ぴょへっ！？…あっ。」

聞き慣れた彼の声が背後からし、何故かそれはけたたましい雨音よりも耳によく届いた。

あまりにも驚いたため素っ頓狂な声をあげてしまい、わたしは縮こまる。

それにくすりと笑いかけて、レントラーは足音を消して隣に座った。

ブースター「先輩、すみません…起こしちゃった……」

レントラー「ううん、気にしないで。いつもよりちょっと早起きしただけだから。」

ほら、早起きは三文の徳って人間は言うだろう？

そう続けて、先輩はその温かくて大きな手をわたしの頭に乗っけた。

それが少し気恥しくて、つい嫌いな雨にさえ目を向けてしまった。

ブースター「…わたし、雨嫌なんです。濡れちゃうから。」

ほのおタイプなのに加え、わたし自身元々濡れるという感触が好きでは無かった。

毛並みはぐちゃぐちゃに、泥だって跳ねたら汚れる。それになんだか気が滅入るし。

ブースター「何も良い事が無いなぁって…思います……」

少なくとも、わたしには。

そこまで話したところで、先輩の口からやや否定を含んだ一言が飛び出た。

レントラー「…そうかな。」

ブースター「…？」

ふと先輩の方に今度は目を向けると、同じように先輩がこちらを見据えていた。

レントラー「確かに濡れると嫌だけれど…俺は好きだよ、雨。」

少しく口角を上げて、先輩は鼻を鳴らした。

わたしは訊いた。

ブースター「どうしてですか…？」