【ポケモン】らっこ家生態大暴露。【オリキャラ】 (ページ25)

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リオル「……っは…」

次に目が覚めた時

僕はあの家から数メートル離れた大きな木の袂に座り込んでいた。

恐らくオノノクスが僕を物理的につまみ出したんだ。

リオル「…くそっ……っ！」

あのオノノクスの目が忘れられない。あれはまるで”強者の目”。

それでももう一度殴り込んでやろうと立ち上がろうとした瞬間、ズキンと首の後ろが痛んだ。

リオル「………」

動けない。

僕は諦めて痛みが引くのを素直に待つ事にした。

空を見ると、先程よりそう色は変わっていなかった。つまり気を失ってからさほど時間は経っていない、という事だろうか。

リオル「……強くなりたいなぁ…」

僕は何故か、林を走り抜ける前の事を思い出し始めた。

僕は仲間と河原で遊んでいた。ちょうど特訓を終えてくたくただったけれど、楽しさには勝てなかった。

そこに突然ポケモン狩りと呼ばれる人間達が襲いかかってきて、仲間の大半はあっという間に捕まえられてしまった。

僕達リオルとルカリオは、波紋や波動を司るポケモンとして人間の間では少しだけ珍しいらしく、仲間内でもこれまでに幾度か狙われる事もあった。それは自分達でも重々分かっていたはずだったんだけど。

僕は必死に抵抗し、仲間を助けようと縄にしんくうはを繰り出した。

しかしポケモン狩りとてそう簡単に壊されるような仕掛けはしていない。一匹のリオルなんかには壊されないようなものだった。

やがて、僕一人だけになった。

最後の一匹を捕まえようと一人の人間が僕との距離を縮めてくる。

…不覚にも、捕まえられてしまうのかと思ってしまった。

その時

「…ぐっ！？」

リオル「…！！」

仲間のルカリオ一匹が、はどうだんを人間の足元に打ち込んだ。

そしてそいつは叫んだ。

逃げろ、と。

気付いた時には雑木林の中。

目元に粒を光らせ、僕は走った。

僕は仲間を守れなかった。そして仲間を失った。

ポケモン狩りのする事なんて、もう知れている。だからこそその辛さは余計に増した。

走っても走っても気は紛れなかった。

あのルカリオの鬼気迫る顔が脳裏にこびりついて離れない。

もしかしたら、そんな思いが僕を早まらせたのかもしれない。

仲間を失った悲しみと辛さ。僕にはそれを昇華させる術は思いつかなかった。