【ポケモン】らっこ家生態大暴露。【オリキャラ】 (ページ20)

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その人は静かに自論を口にした。

まるで言う事が決まっていたかのように、詰まることなく淡々と述べられた。

この子も親も、生まれた時は通常色のイーブイだった。

しかしこのブラッキー、もといイーブイにだけ遺伝子の突然変異が起こったとする。

所謂色違い個体と呼ばれるもので、それだけならそこまで深刻なものでは無い。

しかしこの子の場合、突然変異が起こりきらなかった――つまり両色の遺伝子を持っている。

天秤に乗っていると考えると分かりやすいだろう。この子の遺伝子は、右皿に通常色遺伝子が、左皿に色違い遺伝子が。そして通常色遺伝子が多い為、普段はそちらに傾き通常色なのだろう。

しかし先程も言ったように少なからず色違いの遺伝子を持っているそのイーブイは、ある瞬間を境にその遺伝子の天秤が傾くと思われる。

それがバトルなのかもしれない。

元々バトルには気合いが入る性格の子で、トレーナーの指示と相手を前にすると昂ってしまう。

そして興奮状態に陥ってしまい、それが色違い遺伝子の増殖を加速させて遂には天秤が傾く。

さらに続いて色違い遺伝子が増える事によりそれが人格形成にも影響し、もう一つの人格が現れる。

当然、バトルを終えると落ち着く為逆の手順で元に戻る。

これが、ブラッキーの二重人格とその時だけ色違いになる理由だろう。

オウハ「…………」

パチパチと火の粉が弾ける音だけがした。

その人は話し終えると、一つため息を吐いてこちらの様子を伺った。

オウハ「……なるほど。確かにその線は濃厚かもしれませんね。」

「じゃろ？一応、道行くポケモンドクターやブリーダーにも聞いてみての説じゃ、そう簡単には否定出来ん。」

でも。

オウハ「…仮にそうだとして、対処策は……」

「………」

ここに来て、何故かその人は黙りこくってしまった。

自分でも薄々分かってて、それでも可能性を信じたくて訊いてみたのだが、…どうやらそのようだ。