【ポケモン】らっこ家生態大暴露。【オリキャラ】 (ページ14)

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晴れは好きだ。

暖かいし、濡れないし、何より…

すっきりと晴れた空を見ると、どこからかやる気が出てくるというか、元気が出るのに似た神秘的なものに包まれるから。

大きい空を目の前にすると、何も考えずにぼうっとしたくなってしまう。

ユズ「…………」

らっこ家がもう見えなくなっている。

らっこ家の所在地は知られてはならない。別にどこぞの悪の組織に狙われているだとか、有名人が出入りしているとかではないのだが、…大人の事情ってやつだ。

だから許可も得ず僕の心情と挙動を全て見ているそこの読者の方にも、らっこ家は……そうだな、タマネギ地方にあると言っておく。

…我ながら良い名前。…いやタマネギオイシイ地方の方が良かったかな。

なんて事を、ウォーグルの上ないしは大空の中で考えていた。

ウォーグル「グルルッ！」

ユズ「うん、ありがとう。…じゃあ、ちょっと休んでてね。」

所変わってホドモエシティ。
ライモンとを繋ぐ跳ね橋付近に降り立ち、ひとしきり彼を撫でてからボールにしまい今度はムーランドを出す。

一度だけ目線を交わし、僕らは市場に向かった。

「へいらっしゃい！安いよ安いよ！！」

「嘘だよ！安いと感じるのは殿堂入りしてぐらいだよ！その頃にはもう薬草99個買いなんてザラになってるよ！！」

「モーモーミルク12ダース買いを何回も重ねてストックする人も居るよ！らっことかいう奴だよ！！」

市場では何やら怪しげな謳い文句が飛び交っていた。入ってすぐのこの喧騒だ、思わず反転して帰りたくなる。

…が、ムーランドが無言でその道を阻んでいたのでため息を一つついて、向き直った。

約15分後、運良くほとんどの買い物をこの短時間で終える事が出来た。

ユズ「……あとはお芋…」

先程からそれの売り場が見当たらない。

きょろきょろと見回していると、隣のムーランドの鼻を鳴らす音が突然聞こえた。

不思議に思い目を向けると、北の方向とこちらとを交互に見ていた。

ムーランド「ガウ！」

ユズ「…あっちだね。ありがとう。」

言われた通りに向かうと、ホウエン産と大きく書かれたお芋売り場が。

早速屈み、じっと見比べる。

…ミナモイモ、トクサネイモ、どっちが良いんだ…？

大きく二つに分けられたそれらと暫く睨めっこするが、どちらにすべきか皆目見当もつかない。

ムーランドがくんくんと匂いを嗅ぐのを眺めながら戸惑っていると、頭上から声が降ってきた。