純喫茶［雪達磨］ただいま貸切中。(短編集)(男主)

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都心から離れた少し閑静な路地に、その喫茶店は凛と佇んでいた。

外装は赤い煙突に柔らかなアイボリーホワイトの色が映える、こじんまりとした、懐かしいような、新しいような、そんな不思議な雰囲気を醸し出している。

がこりと大きな窓がひとつあいており、そこからはまるで世界でその空間だけが特別とでも言うように、ゆったりとした、温かな時間が流れている印象を受ける。

所々に蔓を生い茂らせているその店の前には、

【純喫茶［雪達磨］】

という、達筆でもなければ立派でもありはしないのに、どこか人を惹きつける不思議な字で、そう書かれてあった。

＿＿これは、不思議な喫茶店［雪達磨］と、9人の雪だるまさんたちのお話。

からん、ころん、と、どこか気の抜けたベルが、今日も鳴り響く。

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亀更新

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