【逆ハー注意】男装腐女子の魔法科男子校潜入記【3】

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「早速暴れてんねぇ、A！」
「あ、アルくん！」
「悪くない悪くない！」

そういいながら、アルくんは二丁の銃を構える。
それが彼の愛用の銃だろうか。ショットガンのような形状をした銃で、アルくんはニッと笑みを浮かべて遠くにいる敵を狙う。
距離としては200メートルほど。だけど、あぁどうせ当たってしまうんだろう。
何せ、生徒会役員には優秀なやつしかいないだから。

ダダン、と二発の音が重なって聞こえた。
次の瞬間、遠くにいた二人の白と青の生徒がばたりと倒れる。

「……何の弾？」
「動きを封じる系の術式を込めたカプセルみたいなのー。実弾は禁止されてっからね」
「なるほど」
「んじゃー、せいぜい生き残るの頑張ってねー」
「ありがと、アルくんもね」

ぽそりとそう返せば、アルくんは満足そうに去っていく。
あれで私の様子見にでもしに来たつもりなのだろうか。素直じゃない彼に、少しだけ笑みを浮かべた。

「ホノホノ、覚悟ぉおお！」
「っ！」

ひゅ、と風を感じたので咄嗟に体を右にずらせば、先ほど私が立っていた場所に槍が突き刺さっていた。
独特の形状をした槍は、まるで氷が溶けたように消え、持ち主の手元へと戻った。

「……リク」
「ホノホノ恨まないでね、カイにホノホノのバンダナ手に入れろって言われてるから！」
「……えぇええ、逃げたい」

さっき倒したヤツとは絶対に違う。風紀委員で私の護衛を任されてるくらいだから、リクは強いに決まっている。
そんな彼と一対一だなんて度胸、私にあるはずがない。

「せやぁ！」
「ひぇっ」

思い切り投げた彼の槍は、跳んで避けた私の後ろの地面に刺さる。
びしりと床にひびが入り、さっと背中に冷たいものが走った。あれは絶対絶対絶対痛いと思うの。

「アルミラージ！」
「もうホノホノとそこのウサギの動きは見切ったよ！」

突進していくアルミラージの角を易々と手元に戻った槍で受け止め、はじく。
体を吹っ飛ばされたアルミラージは数メートル先の地面に落ちる。

確かにアルミラージの召喚を何度もしているせいで、少し戦闘になれた者であれば動きに慣れるのは早いだろう。

あぁ、憂鬱だ。憂鬱すぎてこのまま棄権したい。
だけどそれと同じくらい私は存外負けず嫌いで。

ぐ、と私は駆けだす。

「あっ逃げないでよホノホノ！」
「いっ、」

振りかぶった彼の槍が私の頬を裂く。生ぬるい何かが頬を伝ったので、おそらく血が流れているだろう。
構わず走り続けるが、やがて腕を掴まれた。

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