男装腐女子の魔法科男子校潜入記

6ねむ ページ7

まぁ鍵かけられたところで、私鍵持ってるんだけど。
アンティーク調の鍵をドアノブに差し込み、鍵を開ける。
すると一匹狼くんびっくりした顔でこっちを見てきた。

「おまっ、勝手に開けんなよ！」
「いや、俺鍵持ってるし。 頭弱いね狼くん、可愛いね、萌え」
「あ！？テメェなんで俺の名前知ってやがる！？」

そっちかよ。
しかも名前オオカミかよ。響き的に名字の方かな。
もう無理この人可愛い。受けだな。絶対受けだな。

「まぁ俺も野宿したくねーし、これからの寮生活、よろしくな？」

にまりと笑うと、オオカミくんはこめかみに青筋を浮かばせる。
口元を引きつらせ、今にも怒鳴りそうだ。
鍵を奪われ部屋を蹴り出される前に、私はそそくさと私生活スペースに入る。

「あれ、思ったより片付いてんね。 実は家事得意な方？」

そういうギャップも萌え！もう今年一年はこの人観察するだけで満足できそう。
ってか満足する。
かわいいよぅはすはす。

「勝手に入ってんじゃねぇよ！」
「え、いちいち許可とらないといけねーの？一応俺の部屋でもあんだけど」
「んなこと俺が許さねぇ！」
「お前が許さなくても法律が学園が教師が寮長が許すのー」
「んぐっ……」

頭の弱いオオカミマジ神。
鼻血でそう。もう多分ちょっと出てる。
必死に無表情で鼻を押さえてるけどそろそろ限界、赤い噴水うぃる。

「あ、俺家事得意な方なんだけど」
「……俺のもんには絶対ェ触れんな」
「あ、エ□本とかあんの」
「ねぇよ！馬鹿じゃねぇのお前！」

顔を真っ赤にして怒鳴るオオカミくん。
あぁぁああああウブな子だ。保健体育でも真っ赤になっちゃうようなウブな子だ。

「あ、あと俺自炊するけど」
「誰がテメーの施しなんか受けっかよ」
「そっか。 あとなんかルールとかある？俺の部屋には絶対入らないでほしいんだけど」
「俺に関わんな、話しかけんな、喋んな、音を立てんな、同じ空気を吸うな」
「一息に死ねって言ってるね。 できることだけがんばるよ、ほかは？」
「……あと……」

ぽつりとオオカミくんが呟く。
戸惑いと恥ずかしさに入り交じった表情に私の興奮が高まっていく。
あぁこれはもう可愛いことを言う顔だ。

「……冷蔵庫の甘いもん、触んじゃねーぞ」

甘党 い た だ き ま し た 。
だめだこの子もう私を萌え殺す気ですわ読者の皆さんどうしましょう。
ついに堪えることができなくなった鼻血は、押さえてる手をも浸食し溢れて伝っていく。

骨だけは拾ってください。

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