10ねむ ページ11
なんでバレたんだろう。
そんなに私は転入生っぽい雰囲気を醸し出してるの?それってどういう雰囲気だよ、とノリツッコミ。あ、面白くない。
「えぇ……はい、そうですが」
「あー、次の授業は何?」
「えーっと、魔力テストって言ってるんですけどー……」
「あぁ、それは屋上屋上。 行き方分かる?」
「あ、はい。 目的地さえ分かれば地図を見ていけます」
確かになんか時間割に位置情報書かれてないもんな、と苦笑する先輩と思しき人。
なんか資料で呼んだのだけれど、学年別にネクタイの色が違うらしい。
私がつけてるのは緑、他に黄色と赤色がある。
緑は一年、黄色は二年、赤色は三年だ。めっちゃ信号カラーなんだけどさ。
ってことは、この人は三年さんだねぇ。
「あ、俺は辰巳 和(たつみ かず)。 こんなナリでも風紀副委員長なのね」
「おぉ……おぉ!ふうきふくいいんちょうさん!」
「う、うん、どした?」
よくよく見ればこれまたイケメンさん。
……だけどチャラい。なんか、とてもチャラい。
ピアスは今はつけていなくても耳たぶ穴だらけって良く見えるし、明るい茶髪はワックスで整えられている。
制服は、罰されない程度に乱されているしネックレスのチェインが襟の影から覗いている。
典型チャラ男、だけどイケメンさん。
「辰巳先輩ですねー、俺は末明 Aです、以後お見知りおきをー」
「うんうん、礼儀正しいねいいね、俺そういう子好きだよー」
あっ、そういう風にチワワ釣るんだ!
「礼儀正しい子が好きだよ……」って壁ドンして顎をクイってあげるタイプでしょ?やるんでしょ?どうせやるんでしょ?
「まぁ、既に遅刻してるからとっとと屋上行きなさい屋上」
「あっ、はい、失礼します!」
そんな辰巳先輩の声に我に返り、私はあらためて地図を見て屋上行きの階段を探した。
その前に辰巳先輩にぺこりと頭を下げるのを忘れなかった。
いやー危ない危ない、またトリップしてしまった。
チワワたちに囲まれていたとはいえ、初日早々授業遅刻は流石に面目立たないよなぁ、ということを考えながら私は何とか屋上へたどり着いた。
そして、その扉を開くと、既にテストは始まっているようだ。
「ん?おい、遅刻だぞ」
扉のすぐ近くにいた先生が私に気付き、眉根を寄せて叱りに来る。
そんな先生に、私はぺこりと頭を下げた。
「すみません、場所分からなくて迷いました」
「あぁ、転入生か。 まぁいいから、列に並びなさい。 君の魔力量を調べるから」
「はーい」
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始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - 礼羅さん» きゃーありがとうございます!生きる糧なんて嬉しい!ゆっくりですが更新頑張ります。これからどんどんキャラ増やすのでどんどん推しが増えますように! (2018年7月18日 10時) (レス) id: 6c149362e0 (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - ウィワクシアさん» ショートだったのですね……主人公にはない魅力です……! (2018年7月18日 10時) (レス) id: 6c149362e0 (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - ほたるいかさん» えぇえぇええ嬉しい!ゆっくりになりますが更新頑張ります! (2018年7月18日 10時) (レス) id: 6c149362e0 (このIDを非表示/違反報告)
礼羅(プロフ) - 毎話楽しみにしています。本当に素晴らしい作品で、もう生きる糧の一つのようなものです!更新待ってます! ちなみに私の推しは主人公とエドです (2018年6月20日 18時) (レス) id: f42c81b12e (このIDを非表示/違反報告)
ウィワクシア(プロフ) - これ読んでたら高校時代スラックスで通って「どっちですか」って聞かれまくったの思い出した (2018年5月22日 19時) (レス) id: 4474fbdae4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:始まりの神 | 作者ホームページ:
作成日時:2015年8月6日 13時