【銀魂】いつか大人になった君たちへ

願い26 ページ27

坂田side



あの後から気まづい雰囲気が漂いながら、
万事屋の業務時間は終了した。
新八は用事があったため早めに自宅に帰り、神楽と二人で飯を取る時間は楽しくなかった。
テレビが付いていて、笑い声は聞こえるのに俺たちは一切笑わない。

時折神楽を見ると、眉を下げて瞳を床に落としているのだ。
どう声をかけたらいいのかが全く分からなくて、
手を伸ばそうにも伸ばしてやれなかった。


もう今は23時。神楽はいつものように押入れで寝ている。定春も定位置で体を丸めて寝ているが、
俺は一人起きている。テレビも付けずに聞こえるのは俺が床を踏み鳴らす音と、定春の寝息だけ。

そんな俺が向かっている場所は電話機。
電話機に、番号を打ち込み受話器を耳に当てた。

プルルル、プルルル、

３コール目で求めていた人物に繋がった。


「もしもし、今空いているか？」

『空いているが、どうした銀時』

「ちょっとな。空いてるなら今から万事屋に来てくれ」

『分かった。エリザベスも同伴した方が…』

「しなくていい。一人で来てくれ」

『分かった、すぐに行く』


ガチャン、と音を立てて受話器を元あった場所に戻す。

来れるということなので、お茶でも出そう。
そう思い台所へ行き、お湯を沸かす。




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