【銀魂】いつか大人になった君たちへ

願い23 ページ24

土方side



自室に山崎を通した俺は煙草を吸いながら耳を傾けることにする。


「副長、今朝言っていたことについて報告しに参りました」

「あぁ。なにか分かったか、房前Aについて」

「はい。彼女は松下村塾の教師でした。
白夜叉、鬼兵隊総督、狂乱の貴公子の師でもあったと書かれていました」


そこから山崎は房前Aと松下村塾、攘夷戦争、
吉田松陽、そして万事屋こと坂田銀時、高杉晋助、桂小太郎との関係を俺に伝える。


「そして彼女は今年の冬に持病の心臓病で亡くなったと記されています」

「………山崎、もういいぞ」

「あ、はい。でも副長、何故今房前Aことを…」

「私情でちょっと絡んだだけだ。気にするな」



手紙を貰った、なんて言えないためいくら山崎とはいえ首が突っ込めないように空回りに私情と言えば、そうですか。と俺にいつものような口調で返した。


「どんな事かは分かりませんがあんまり無理はせんで下さいね。それじゃあ俺はこれで」


部屋を出る前に俺に一礼してパタパタと部屋を出ていった山崎。
俺の部屋は静まり返り、無数の煙草の先端から出た灰色の煙が渦模様を描き宙に舞う。

その煙草を口に加え、山崎が持ってきた報告書をペラペラと捲りじっくりと読む。


「…やっぱり攘夷戦争関係が絡んでいたか」


万事屋、桂、高杉に用があるのは大抵のやつが攘夷戦争関係。その類だとは思っていたが、予想の斜め上を行く。まさか師だとは思っていなかった。


「…房前Aの正体も分かったことだ。
手紙を野郎に渡しに行くとするか」


来ていなかったジャケットを羽織り、抜いていた刀を腰にさす。内ポケットには三つの手紙を入れる。
これで出かける準備は出来た。途中近藤さんに会ったため、「用事で出かける」と言い万事屋へと足を運んだ。





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