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人の欲 ページ5

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「そろそろ決着のつく頃かな。
戻ろっか」


夜兎の身体能力で屋根を飛び移り、

あっと言う間に夜王のいる場所を目指す。


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私達が辿りついたその時。


「あ…っ!」


_____光だ。太陽の光。


随分長い間、吉原にいたせいか

とても眩しく感じる。


太陽が見えるということは…


「夜王鳳仙が…人間に負けたか」


神威の呟きは、
抱きかかえられている私にはよく聞こえた。


銀ちゃんが…勝ったんだ。


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崩れかけた壁、
瓦に横たわる巨体。

身を太陽の元に晒す鳳仙には

先程までの圧力も威厳もなかった。



私を屋根の上におろし、
ゆっくりと神威は鳳仙に近づいて行く。



「人とは哀れなものだね。
己に無いものほど欲しくなる。
届かぬものにほど手を伸ばす」



重みのあるその言葉は、
私の心にじわじわとのしかかった。


人は欲深い。

綺麗事だけじゃなく、そんな醜い部分もあってこその”人”だ。


「夜王に無いもの…それは、光。
貴方は太陽が無いことに乾いていたんだ。

誰よりも疎み、憎みながらも
誰よりも羨み、焦がれていたんだ。

そして消えない光を…憎み、愛したんだ」



鳳仙だって…
手に入らないものがただ欲しかっただけ。


だからと言ってこんな、女達を巻き込んで縛り付けていいわけじゃないけど…

それでも、ただ己に無いものに手を伸ばした。



自分の欲に溺れてしまえば、今目の前の男のように醜い姿を晒すことになる。


それはこの吉原で学んだ、
人として生きるための教訓だ。


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みんみ - すっげえおもしろかったっす!!これからも面白い作品を生み出してください!!!!!!!!!! (2017年1月3日 15時) (レス) id: 2dd5701760 (このIDを非表示/違反報告)
サラ - 他のフラグありは見れるのに… (2016年7月7日 22時) (レス) id: 72c8aad68f (このIDを非表示/違反報告)
サラ - そもそも夜の記憶という夢小説が見つからない見たい(;。;) (2016年7月7日 22時) (レス) id: 72c8aad68f (このIDを非表示/違反報告)
モエ(プロフ) - Mさん» すみません、今は修正中です(°_°) (2015年7月2日 16時) (レス) id: cb41ecc13e (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - 夜の記憶にロックかかってるんですけどどうすればいいのですか? (2015年7月2日 16時) (レス) id: e7739ec10e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月姫 x他1人 | 作成日時:2015年6月8日 23時

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