夜に住む嘘つきな兎*2*【神威】

私の思う強さ ページ15

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「だけど別に、神威みたいに本能に従う人達を否定してるわけじゃないの」


「じゃあ、どうゆう意味？」


ハーフの私が偉そうに色々言い過ぎたかと思ったけど、

神威は怒ってるわけでもなく

ただ私の話に耳を傾けてくれていた。


「”強さ”っていうのは、

戦闘能力だけじゃなくて…だから…」


うまく言葉に出来ているかわからない。

けど私の思いを包み隠さず伝えるだけだ。



「”大切な人を守ることが出来る強さ”とか、

意見や考え方は違っても
”互いを認め合える強さ”とか

”心の…強さ”……とか」



”強さは他にもたくさんある”

これが私の考えだ。

力の強さだけじゃない。そう思う。



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「……なるほど、ね…」


「別に仲良し兄妹に戻って欲しいなんて言わない。だけど、考えは違っても…

同じ種族、家族なんだよ。
だから…お互い理解はしてて欲しい」


私がそう言うと、

神威はフッと小さく息を漏らした。


表情は…読めない。

だから、少しだけ怖いと思ってしまう。


それに今度こそ、綺麗事みたいに馬鹿正直な意見の私を、嫌いになるかもしれない。

昔みたいに…また、置いていかれるかも。


そう思うと足が震える。


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「俺さ……春雨に来てから、
ただ何も考えずに暴れて来ただけなんだ」


だから、これからも…

ただ本能に従って戦い続ける…そうゆうこと？


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