動き出す ページ39
sideA
その後、俺はサンジとは別の部屋に移された。なら最初からあの部屋にぶち込むんじゃねえと怒鳴りたかったが、ぐっと耐える
『..どーすっかな』
窓から外へと移した視線の先は未だに水飴の雨。ルフィやナミは無事だろうか...サンジはこの先どうするのか..さっきはあぁ言ったが、彼奴は女好きだからな。プリンもまぁ見た目は割といい方だとは思うが俺は好かねえあの女
『今思い返しても腹立つな..』
騙された方が悪いとは思うが、騙す方が悪ぃよな！？サンジ連れて来るっつってたくせによ！...等とイライラしていたら不意にドアをノックされる
『誰だ』
声をかけても、ドアの向こうから返事はない
『...ﾁｯ....入れ』
言えば、ドアがゆっくりと開いた。その先に居たのはこの島へ来る道中にルフィを救ってくれたサンジの姉、レイジュ。何の用だと睨み付ければ、彼女はドアを閉めて此方へと歩み寄って来た
「貴方に頼みがあって来たの」
『....聞くと思うか』
「聞くわ。だって貴方、優しいじゃない」
『はぁ？』
予想していなかった返答に眉を顰めてしまう。何言ってんだコイツ、とレイジュを見返せば、奴は浮かべていた笑顔を消して軽く俯いた
「サンジの事を、頼める立場じゃないのだけれど」
『...』
「あの子を仲間達の元に連れ帰ってくれないかしら」
『それは、サンジの意見を無視しても...か？』
「その心配は要らないわ。あの子は必ずあの麦わらの彼と貴方達の元に帰りたいと口から零すから」
俯けていた顔をあげ真っ直ぐと見上げてきたレイジュに思わず小さく溜息が零れてしまう
『...お前に言われなくてもそうするつもりだ。ジェルマが邪魔しようと、くそババアがブチ切れようと......俺も、ルフィ達もサンジを諦めたりはしねぇよ。仲間だからな』
「...ありがとう」
俺の言葉に礼を返した彼女は再び笑顔を浮かべ、早足に部屋を後にした。レイジュが去った後、俺はもう一度窓の外へと視線を投げる
(ロー)
思い返すのは一足先にワノ国へと向かった弟の姿
ゾウにてワノ国で待つと言い残し、そして俺に死ぬなと言った。あの子が人質に取られている以上迂闊な行動は慎まなければならない
(...ナミにも、悪い事しちまったな)
次に思い浮かべたのは電伝虫での会話の内容
あの時、俺はついて行く者を未来の海賊王と言って言葉を濁した。勿論それはルフィの事で、彼奴らを裏切るつもりは毛頭ない
「…」
1つ息を吐いた俺は窓を破って外へと飛び出した
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風船ガム - マルさん» お待たせしてしまい申し訳ございませんでした。ちょくちょくですが、更新再開します (2022年9月19日 0時) (
レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
マル - とても面白いのに更新されてないの寂しいです。 (2019年5月3日 18時) (レス) id: 067a9e90af (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - アンケートご協力ありがとうございます！2が7票、1が一票、3が一票で......2にしたいと思います！！ご協力頂いた方々、ありがとうございました！ (2017年10月30日 19時) (レス) id: 4ad624ef5c (このIDを非表示/違反報告)
KoKoryu - 2で！ (2017年10月23日 0時) (レス) id: 56ca561396 (このIDを非表示/違反報告)
☆★☆★☆ - アンケートの答えは2でよろしくお願いします。 (2017年10月7日 16時) (レス) id: 08f2b5cf74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：風船ガム | 作成日時：2017年8月11日 13時
