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壊れかけの君を腕に抱く ページ5

「お姉ちゃん、おねえちゃん…っ!やっと、ぅ、目を、覚ましてくれたのね…。ぐすっ」
「…志保ちゃん、ごめんね。1人にしちゃって…」
「まだ、お姉ちゃんが死んでなかったから、1人なんかじゃなかったわ…」
「そっか。それなら、よかった」

あれだけ冷静な志保ちゃんが泣いているのを見て彼女にどれだけ深い悲しみを与えてしまったか理解した。私は死ねない。志保ちゃんの存在意義となる他の人が現れるまでは、決して。

「明美…」
「あの、もう、私に付き合う必要なんてありませんよ?黒の組織は壊滅したのですよね。なら、本当の彼女のジョディさんの元に戻ってあげてください。私に囚われなくていいんですよ」
「明美、すまなかった…。…俺のせいでこんなにも危険な目に合わせて」

私は、私を抱きしめる赤井さんの体を押しながら、別れる旨を伝えた。でも、彼の私を抱きしめる力が別れる旨を伝える前よりも強くなった。やめて、やめてよ。赤井さん…。勘違いしちゃう。貴方が好きなのは私じゃないのに、もしかしたら、だなんて。

「ほんと、気にしないで下さい。罪悪感を感じるからって私と付き合わなくていいんです。それに、私が勝手に好きなだけなんですから、全てを知った上で付き合ったのは私の勝手なんですから。本当の彼女の元に戻ってあげてください」
「ちが…」
「ね?赤井さん…!皆さんも忙しいなかわざわざ来てくれて本当にありがとうございます。あと、工藤新一くん。志保ちゃんを守ってくれて本当にありがとう…!」
「あ、いえ…。俺もはいば、宮野には結構助けられましたし…」
「阿笠さんも、急な事だっただろうに志保ちゃんを受け入れて下さって本当にありがとうございました……!」
「いやいや。志保くんにはわしも随分世話になったよ。礼を言うのは案外こちらかもしれんのぅ…」

矢継ぎ早にそう言って、私はごまかした。赤井さんが私をす、すきだなんて…。あり得るわけ、ないんだから。彼は責任感が強くて優しいから、罪悪感を勘違いしてるだけなんだ。あぁ、そうか。彼は私に罪悪感を本当に強く感じているんだ。だから、責任とろうとしてくれてるのかなぁ。そんなの気にしなくていいのに。赤井さんと付き合ったのは私の勝手なんだし…。そんな人だから好きなんだよ…。

赤井さんの愛する人へと向けるように、私に向けられたような甘い瞳がいつまでも目に残っていた。

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ゆっきー(プロフ) - 喉いたいー。 (2017年6月4日 16時) (レス) id: f7c0b29069 (このIDを非表示/違反報告)
弧芭空 - 寝ろや(笑)たしかに走らされたらやばかったかも (2017年5月28日 9時) (レス) id: 7440005314 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっきー(プロフ) - 眠い、続きが思いつかん…。 (2017年5月28日 1時) (レス) id: f7c0b29069 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっきー(プロフ) - 今日は走らされんくてマジよかったー。旅行明けの体にはちとキツいですわ。 (2017年5月26日 18時) (レス) id: f7c0b29069 (このIDを非表示/違反報告)
弧芭空 - 「ねじれそう」?って難しい言葉使うなっっ!明日朝練いかんよな?? (2017年5月25日 22時) (レス) id: f3e37caef6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆっきー | 作成日時:2017年4月16日 1時

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