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プロローグ3 -無慈悲な夜- ページ3

A目線


___そこには、息絶えた2人の体があった。

五体満足でまだ良かった、
なんて歪み始めた思考を頭の隅に追いやり、
机の上に置かれた
粘土板の書き置きのような物に目を向ける。

震えた字だが、間違いなく父と母の字だった。

俺は震える手を伸ばして、
まだ柔らかいが既に固まりつつある粘土板を
手に取った。

そして、呼吸を整えてから文字を目で追う。


そこには、
思いもよらぬ言葉と、
父母の懺悔が詰め込まれていた。


「Aへ

父さんと母さんは、もう長くはないでしょう。

Aがウルクへ遊びに行った数時間後
魔獣達が攻め込んできたのです。

兵士さん達も私達を護るべく
必死に戦ってくれました。ですが…

さっき、最後の兵士さんの声が聞こえました。

という事は
次は私達の様な隠れている市民を狙うでしょう。

あぁ、本当に貴方が居なくてよかった。

___だけど、御免なさい。
貴方に伝えるべき言葉を、直接言えなくて。

私達、本当は


___貴方の、本当の親じゃないの。」


俺は、目を疑った。
あんな優しい人達が、愛を与えてくれた人達が

____本当の親じゃない、だって?


貴『…ッ、そんな…じゃあ…なんで…』

あんなに優しくしてくれたんだ


なんて言葉は続かなかった。


「…でもね。

私達は
貴方を"本当の息子"の様に愛しく思っていたの。

血が繋がっていなくとも
容姿が似ていなくとも

心は繋がっていると、信じて。


貴方は雷の鳴る激しい雷雨の中
独りぼっちでぐしゃぐしゃに濡れたまま
街の入口に倒れていたの。

私達が初めて見つけて、そのまま引き取った。


最初は返すべきだと、考えていたのだけど…
どうしても、返せなくなってしまった。

それで今まで黙っていたの。御免なさい。

…あぁ、もう足音が近いわ。

私達とは、ここでお別れよ。


今まで有難う、A。
貴方の行く末に、素晴らしい未来があります様に。」



俺はそこまで読んで
粘土板を抱き締めたまま

____叫ぶように、泣き喚いた。

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ヨル(プロフ) - もなかさん» 感想有難うございます〜!頑張りますね! (2020年4月23日 1時) (レス) id: a8e58dbd43 (このIDを非表示/違反報告)
もなか(プロフ) - すごいおもしろいです!!!更新頑張ってください!! (2020年4月22日 15時) (レス) id: ba3cbcb107 (このIDを非表示/違反報告)
ヨル(プロフ) - ディアさん» 有難うございます〜!頑張りますね!(*^^*) (2020年4月16日 12時) (レス) id: a8e58dbd43 (このIDを非表示/違反報告)
ディア - めちゃめちゃ面白いです!お話の続き楽しみにしてます!更新頑張って下さい!^ - ^ (2020年4月12日 22時) (レス) id: f4badc1d91 (このIDを非表示/違反報告)
ヨル(プロフ) - 柚夜─YUYA─さん» 感想有難うございます!面白いと言って頂けて嬉しいです〜!更新頑張りますね! (2020年4月9日 23時) (レス) id: a8e58dbd43 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蜜柑飴 | 作成日時:2020年1月26日 20時

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