その少女、生徒会長につき (ページ16)

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脳裏に焼きつくあの日／前編ページ16

静乱「……。」

試合はあっという間に終えた。
一度目を伏せ、その後(あと)に得点掲示板を一瞥(いちべつ)。
【0-12】と云う圧倒的点差で雷門は惨敗。
次にフィールドを一瞥すると、体力の限界で倒れてく雷門の選手達。
私は意味も無く、これまでの試合の展開を振り返る。

開始早々点を取りに駆けた雷門に対し、アンリミテッドシャイニングは微動だにしなかった。
雷門の子達は疑問を抱きつつも敵陣へ上がり、剣城くんは構わずシュート技を打った。
恐らく自陣の誰もが先制点を決め込んでいたことだろう。

しかしそんな事はなく…
いつの間にかペナルティアーク付近でスタンバってた白竜くんは剣城くんの必殺シュートを安易に打ち返した。
否、打ち返されてしまった…。
こう表すのが適切だろう。
依って技を技で打ち返した白竜くんが放ったボールは威力が留まるのを知らず、雷門ゴールへ難なく突き刺さった。

それからは防戦一方だった。

白竜くんは雷門イレブンに攻める猶予を与えずDF陣を薙ぎ倒し、次々と独断で点を捥ぎ取ってくのだ。
つまり相手チームの中心人物(エースキッカー)の独壇場、と云うこと。
あまりの強さに雷門イレブンの面々は倒れていき、青山くんと一乃くんに至っては地に膝をつける始末。

ここまでを振り返り、今一度アンリミテッドシャイニングの動きを記憶の中で記録してく。
まぁ少人数しか動かなかった為、全員の成長を窺えはしなかったが…。

(渡した通りのメニュー、ちゃんと熟(こな)してたみたいだね。だけど此れ程まで物にするとは…。)

『驚きかい？』

(ﾌﾌ…まぁ、正直ね。)

取り敢えず一部の記録を終えた私は、精神感応(テレパシー)で彼女と会話を成り立たせていた。
シアンを彼等が使う単語で例えるならば…そぅ、化身である。
しかし彼女は他とは違う。
彼女だけじゃなく、学院のサッカー部員が宿す化身達も。
……この話は又の機会に致しましょう。