六眠り目。 ページ6
「そう云うことだよ敦君。つまりこれは
一種の__
入社試験だね」
「入社試験……?」
太宰さんの言葉で、彼の名前を知った。
なるほど、あの人は“敦“さんというのか。
今日、私と関わってくれた人。
「そのとおりだ」
ドアが開いて、眉間にしわのよった着物姿の男性がでてくる。
「社長」
国木田さんが頭を下げる。
「しゃ 社長!?」
敦さんが肩を揺らした。
「そこの太宰めが「有能なる若者が居る」と云うゆえ
その魂の真がん試させて貰った」
淡々と、言葉を紡ぐ。
__福沢社長のことが好き。
国木田さんだって好き。
視界の隅で、未だに戯れている二人。
__谷崎さんもナオミさんも、みんな大好き。
「君を社員に推薦したのだけれど、如何せん君は区の災害指定猛獣だ。
保護すべきか社内で揉めてね」
太宰さんが云う。
そういえば、昨日みんなが何処かへ行っていた気がする。
っていうか私も来いって言われたけど眠気に負けた気がする。
敦さんに会いにいっていたのか。
……叩き起こしてでも連れていってくれれば良かったのに。
……まあ、太宰さんがわざと私を置いていったのだろうけど。
その太宰さんを見ると、ニヤリと気色の悪い笑みを浮かべた。
「……で、社長の一言でこうなった、と」
「で社長……結果は?」
国木田さんは首をかしげながら云った。
……なんにしても、新しい人と出会えたのは素敵だ。
「太宰に一任する」
太宰さんがわらう。
「合格だってさ」
私を見てくれた人、これから関わってくれる人。
「つ、つまり……?僕に斡旋する仕事っていうのは
此処の……?」
今日から敦さんは、私の大好きな人のうちの一人だ。
「武装探偵社へようこそ」
人間は素晴らしい。
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まっちゃ - すごく面白いです!更新待っています (2021年8月17日 14時) (レス) id: bd6a8b3525 (このIDを非表示/違反報告)
すい - はじめまして。つい、一気に読みきってしまいました。 素敵な作品をありがとうございます!! (2020年8月10日 20時) (レス) id: 00923fd203 (このIDを非表示/違反報告)
水団子(プロフ) - キタさん» お気遣いの言葉、ありがとうございます。作者は受験生の身ということもあり、春までは超不定期更新が続くと思いますが、少しずつ更新して行きたいと思っております。コメントありがとうございました (2016年11月4日 4時) (レス) id: 5a4cb24d14 (このIDを非表示/違反報告)
キタ - 続き、待ってます!あ、でも無理はしないで頂きたいです……(汗 (2016年8月7日 17時) (レス) id: 8f0d08bbdf (このIDを非表示/違反報告)
水団子(プロフ) - キタさん» まじですか……光栄すぎて言葉出ねぇです……夢主ちゃんについても、これから明らかになっていく予定ですので、どうぞ生温かい目で見守りください。コメントありがとうございました (2016年7月11日 2時) (レス) id: 851c864111 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水団子 | 作成日時:2016年5月15日 5時