声優？なにソレ？おいし…くはないか

優しい子 ページ3

櫻井side




『行ってきまーす』




朝、最初の仕事に向かうために玄関を出ると近く、いや隣か、から元気な声が聞こえた


いつもなら気にせず仕事に向かうのだがその日は妙なことに声が近づいてきた




『あ、逃げないで』




逃げる？何が？




櫻「…ネコ？」




ふと気がつくと上から鳴き声が聞こえたので見てみると三毛猫がいた


と同時にコイツが逃げていたのかとも思った


はぁ、まあ流石に人ん家までは入ってこないだろ




『ミケやーい、どこいるのー？』

櫻「は？」




なんでこの子は人ん家平気で入ってきてんの


俺怖いよ。いきなり入ってこられたら


どんなやつかと思って容姿を見てみると制服を着ていた


制服→学生→学校→学校！？


いやちょっと待ってなんでこの人学校あるんじゃないの！？


え、サボり？でも行ってきますって言ってた




櫻「君、誰？学校大丈夫？」

『え、わわわ！す、すいませんでした！不法侵入ですよね！今すぐ消えます！』

櫻「いや、大丈夫だから。それよりも、そのキャラクター好きなの？」




思わず聞くと、ビクッとなって慌てていた


うん。不法侵入だって自覚あるならいいんだ。まだ未遂だし


それよりも気になったのはその子のカバンに付いていた御幸の缶バッジ


やっぱり自分がやってるとやたら気になったりするんだよね




そしたら、御幸のは弟からもらったもので本命は倉持だと言われた


人の好みはそれぞれだけどそれでもやっぱり…ね


今絶対変な顔してんだろうなと察した俺は普段に戻した




『でも、御幸も好きですよ、はい』




その子の無理矢理のフォローに優しいんだなぁと思わされた


顔は心配そうだし、俺の顔色伺ってるとこも分かりやすすぎ




そんな子に少し興味を抱いたが、今は学校だろうと思って指摘したら


その子いきなりはっ、て驚いて謝ってダッシュだよ？


もう面白くて面白くて


気がついたら




櫻「学校終わったら俺らの家来てよ」




そう言っていた


その子は軽く返事をして去っていったけど、俺らの部分に疑問を持ってたよね


そうだよ。俺じゃないんだよ


俺らなんだよ


みんなに話通しとかないとな

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