やっぱモフモフは正義 ページ7
.
「やんさ〜ん」
のほほんとした声に呼ばれて振り返ると、Broooockがひらひらと手を振りながらこちらに歩いてきていた。
「おう、Broooock」
「その子が新しく連れてきた子？」
「うん、さっきの仕事先で保護した」
BroooockはAの少し手前で立ち止まる。
興味津々のようだが、一歩離れたところから、近寄ってこない。
それを見て、きりやんはにやにやと笑みが浮かぶのを止められなかった。
「あれ〜？Broooockさん、どうしたんですか？そんな離れたところに立って〜。あ、そっか動物好きなのに動物に嫌われてるから近付けないんだ〜？」
Aの首元にぎゅうと抱きついて、見せびらかすように鬣に顔を埋めて見せる。
Aは緊張したように固まってはいるが、嫌がったり、振り払ったりはしなかった。
「え〜〜〜、いいなぁ〜〜〜、僕もモフモフしたい！」
「まぁ、こいつ大人しいから、普通に大丈夫だと思うよ」
「ほんとに？ほんとにほんと？流石にその牙で噛み付かれたら、僕の腕無くなっちゃうと思うんだけど！」
以前、小動物なら、と触らせてみた際に、噛み付かれたのがトラウマになっているらしい。
しかしAは今落ち着いているようだし、ここに来るまでも、ビビることはあっても暴れたり噛もうとしたりすることはなかったから、大丈夫だろう。
「俺が頭押さえとくから」
そう言って、きりやんはAの頭を肩に乗せるようにして軽く後頭部を押さえ、Broooockに背中を向けさせた。
Broooockは恐る恐る近寄って、Aの鬣に手を乗せる。
「うわ〜〜〜、ふわふわ！」
Aが全く怒らないことを確認してBroooockもようやく安心したようだった。
「すごい良い子だね！おりこう〜」
もふもふと毛並みを撫で回すBroooockの気持ちもわからなくはない。
きりやんも、前世ではなかなか動物に好かれなかった。
それが、どういうわけか、この世界に来てからというもの、あらゆる動物に好かれるようになった。
これも、異世界転生に付きもののチートとやらなのだろうか。
「おりこうだよな〜？Aは」
「Aって名前なの？なんか可愛いね。女のコみたい」
「飼われてたとこでそう呼ばれてたみたいだからさ。名前は変えない方がいいだろ」
実際、見た目の凛々しさにそぐわない名前ではあるが。
「まぁ、ちなほんとに雌だけどね」
そう言った瞬間、何故かAは驚いたようにこちらを見た。
ねぇ、まじでこいつ俺の言葉理解してる説ない？
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 763人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「WT」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すみれいん(プロフ) - 久しぶりにまた読んじゃいました。ハートがまた押せるようになったのでうふふですね…！！やっぱこのお話好きだし、いつ飼い主じゃなくなるのかなぁってむふむふしちゃいます (5月15日 11時) (
レス) @page46 id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - ガナッシュs2さん» 通知が来てちょうど読めるくらいの時間があったので一からまた読んじゃいました…！やっぱりたまにあるクスッとする所好きです笑 (2023年1月10日 2時) (レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
ガナッシュs2(プロフ) - すみれいんさん» いつもハートありがとうございます！こちらもバタバタしていて更新できてなくてすみません！…こちらの続きもそのうち……！ｗ 必ず………！！ｗ (2023年1月9日 21時) (レス) @page46 id: 1465e56711 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - ガナッシュs2さん» バタバタしておりお返事滞ってしまいました◯¬ 寝れそうになく読みたいと思い再び読みに来ました！しかもハート押せます。キタコレ！！となっております (2022年10月10日 23時) (レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
ガナッシュs2(プロフ) - トキさん» 番外編も気に入っていただけてよかったです！！！せっかくの異形夢主が人間に戻っちゃったので、番外編で獣ver再登場してもらいましたｗ (2022年9月25日 0時) (レス) id: 1465e56711 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ガナッシュs2 | 作成日時：2022年8月3日 17時
