続き ページ15
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「A！お前、すごいじゃん」
このまま、いつまでも飛んでいたいが、残念ながら今は仕事中だ。
眼下に広がる森の中に、黒い毛並みを見つけて、Aの首を叩く。
「いた！あそこだ。先回りしろ！」
Aはすぐにそれを理解し、旋回しながら高度を落とした。
木々の葉をくぐり抜けて着地した先には、驚いてこちらに牙を向く大きな熊の姿があった。
急に目の前に現れたAに熊はじりじりと後ろに下がるが、
そこで後を追っていた動物達が到着し、包囲する形になった。
殺気立った熊はきりやんに向けて吠え立てる。
確かに、この顔ぶれの中では、人間が最もひ弱だろう。
熊がきりやんに向けて一歩を踏み出すと、Aが間に割り込んで翼を広げた。
全身の毛を逆立てて威嚇音を立てているが、
体は小刻みに震えているし、尻尾が完全に丸まっている。
きりやんは、思わず目を丸くした。
もしかして自分を守っているのだろうか。
こんなにも臆病なAが……。
「A………、お前………」
子猫にも立ち向かえなかったくせに、ここへ来て勇気を見せたAに感動してしまう。
してる場合ではないのだが。
きりやんは、熊に注意を払いつつ、Aの頭を撫でる。
「大丈夫だよ、無理すんな」
そして、懐から取り出した特殊な餌を熊の前に転がした。
特別な配合で作ったもので、猫にとってのマタタビのようなものだ。
熊はしばらく警戒していたが、餌の匂いを嗅ぐと、次第に大人しくなっていった。
そして、餌を前足で何度か転がし、ついにはその場に座り込んで餌を食べ始めた。
「うまいだろ？いっぱいあるから、ゆっくり食べろ〜？」
そう声をかけて熊に近付く。
背後ではAが心配そうに鼻を鳴らしているが、他の動物達はもうすっかり落ち着いていた。
熊はきりやんにやや身構えたが、頭を撫でつつ追加の餌を与えると、あっさりと懐いた。
そのまま熊が完全に落ち着いて餌を食べ終わるのを待ち、きりやんはAの元に戻った。
「A〜〜〜！！お前頑張ったな〜〜！！」
鼻を鳴らしながら、未だに震えているAをたくさん撫でてやる。
「俺を守るつもりだったの？おりこう過ぎんだろ〜」
こんなデカい熊、怖くないはずはないのに。
Aの両頬に手を添えて、真正面からAの目を見る。
「帰ったら、ご褒美のおやついっぱいあげるからな」
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すみれいん(プロフ) - 久しぶりにまた読んじゃいました。ハートがまた押せるようになったのでうふふですね…！！やっぱこのお話好きだし、いつ飼い主じゃなくなるのかなぁってむふむふしちゃいます (5月15日 11時) (
レス) @page46 id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - ガナッシュs2さん» 通知が来てちょうど読めるくらいの時間があったので一からまた読んじゃいました…！やっぱりたまにあるクスッとする所好きです笑 (2023年1月10日 2時) (レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
ガナッシュs2(プロフ) - すみれいんさん» いつもハートありがとうございます！こちらもバタバタしていて更新できてなくてすみません！…こちらの続きもそのうち……！ｗ 必ず………！！ｗ (2023年1月9日 21時) (レス) @page46 id: 1465e56711 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - ガナッシュs2さん» バタバタしておりお返事滞ってしまいました◯¬ 寝れそうになく読みたいと思い再び読みに来ました！しかもハート押せます。キタコレ！！となっております (2022年10月10日 23時) (レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
ガナッシュs2(プロフ) - トキさん» 番外編も気に入っていただけてよかったです！！！せっかくの異形夢主が人間に戻っちゃったので、番外編で獣ver再登場してもらいましたｗ (2022年9月25日 0時) (レス) id: 1465e56711 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ガナッシュs2 | 作成日時：2022年8月3日 17時
