＊ ページ10
・
『……まあ、ええよ』
ゲーム内の私のうまい嘘に、不満げな顔グラの鬱が了承する。ちなみに外出は明日だ。
「Aの嘘が通じたのってこれが初めてちゃう？」
「そんなことはないよ。……多分」
「ないとは言い切れんあたりちょっとアレやんな」
だいたいお前らが嘘うますぎんだよ。私は普通だわ。
ゲームの方はシーンが切り替わり、逃げるための準備が出来るようになった。
自室に何か使えるものはないか調べたが、それらしいものは見つからない。
「というかこれ、どうやって逃げるんだろ。トイレとか言って逃げるのかな」
「俺が大先生やったら出入りが見えるところで待ってるで」
「だよねえ」
私だってそうする。ダッシュで逃げようにも捕まるだろうし、いよいよ逃走手段が見つからない。
リビングの探索で何か見つかるだろうか。なにか鬱の足止めができるもの……。
「トラバサミとかないの？」
「ないわ。仕掛けたら引っかかると思っとるんか」
「ゲームだしワンチャンあるかなって……」
困ったなとリビングをぐるぐる探索していると、鬱が近寄ってきた。え、イベント？
『なにしとるん？』
視界判定により脱走の準備をしているのが見つかったのか。
「やばい。視界に入っちゃダメなタイプかよ」
「お前どんだけ手凝ってんだ」
「すごいやろ」
このゲームにおいてその職人気質は要らなかった。
選択肢は「楽しみでいてもたってもいられなくて」を選んだ。残りの一択は「暇だったから」だ。暇だから部屋を漁るのは少し無理がある。
『そうなん？ それならええんやけど』
安堵した次の瞬間に鬱は話を続けた。
『もし逃げようなんて考えとったら……わかるやんな？』
『……もちろん』
疑われているのは仕方ない。ちょっと従順なフリをして隙ができたら逃げるしかないな。
「警戒心マックスやん。逃げれんのこれ」
「最悪今回はダメでも逃げなかったっていう実績が残るから、少しは信頼はされるはず。それを何回か繰り返して隙をついて逃げるって方法もあるから……」
「ごめん。その手法は思い付かんかったからシナリオにないわ」
「今回で逃げ切るしかないのか……」
無理かも、だって全く信用されてない。そんな相手から逃げられるようだったらチーノはヤンデレをなめているぞ。
ーーーーー
今更ですが作者はこの手のゲームはやったことがないので、おかしなところがあっても目を瞑っていただけると嬉しいです。
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鹿野ユズナ(プロフ) - 逆に夢主ちゃんのヤンデレを攻略する主役も面白そうだな、と考えが溢れて止みません。もしやお花畑様天才ですか？夢主ちゃんや物語に詰め込まれた魅力がすごいです。続編移行お疲れ様です。これからも頑張ってください！ (2020年10月6日 0時) (
レス) id: 6c05b173a1 (このIDを非表示/違反報告)
脳内お花畑(プロフ) - 鹿野ユズナさん» コメントありがとうございます！そこのところ、どうなるんでしょうね？怖がるのか冗談めかして流すのか、それともノリなのか本気なのかはさておいて一緒になってヤンデレになるのか……。私も知りたいです (2020年10月5日 20時) (レス) id: 999cc5b25a (このIDを非表示/違反報告)
鹿野ユズナ(プロフ) - これ、実際にゲームみたいなこと主役たちに言われた夢主ちゃんの反応も気になりますよね……悪ふざけなのかガチなのかは置いておいて（にっこり） (2020年10月5日 18時) (レス) id: 6c05b173a1 (このIDを非表示/違反報告)
脳内お花畑(プロフ) - 悠さん» ありがとうございます！そろそろ続編へ移行するので、続編も読んでいただけると嬉しいです…！ (2020年10月3日 14時) (レス) id: 999cc5b25a (このIDを非表示/違反報告)
悠(プロフ) - (*＾＾*)最高や.......(脳溶けた)スマホ没収されっとって見れへんかったけど、返してもらって見たら.......うん、最高や.......(＾p＾) (2020年10月3日 13時) (レス) id: 8d0048bdd7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：脳内お花畑
| 作成日時：2020年9月14日 19時
