【ωrωrd!】知り合いがヤンデレで攻略対象とかキツいわ

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相談することにしたが、ひとらんはどうするのだろう。

『最近ね、みんな私と関わろうとしないんだけど、私なんかしちゃったかな』
『そうなの？ 特にAの悪い噂も聞かないけどなあ』

「噂を流してる本人かも知れないんやろ？」
「うん、でも一応噂を流してない可能性もある」

噂は流していないが、武力で関わりを絶たせている可能性もあるから油断できない。
距離を置かれているという言葉から察するに、人は殺されてはいないようだから孤立誘導型の可能性の方が高いかな。

『そっか……。じゃあ何でなんだろ』
『助けになれたら良かったんだけど、おれは何もわかんないや。ごめんね』
『あ、いいの！ 一緒にいてくれるだけで十分嬉しいから』

「助けになりたいなら、噂とか諸々どうにかしたあとに私から離れてほしい」
「俺たち目線はそうなるよな」

何も知らないとかよく言えるわ。好きな女の子いじめて楽しいんですかーー？？
まあこれが二次創作とか普通のヤンデレゲームだったら、きっとすごい興奮してたんだろうな……。顔馴染みなのがいけない。

『おれもう行かなきゃ、またね』
『あ、うん。またね』

ひとらんが離れていくと、私はあからさまに気分が下がっている。
唯一自分に友好的な人間がいなくなったのだから気持ちは分かるが、プレイヤーの私としてはかなり困っている。

「完全にラストスパートの精神状態なんですけど……」
「開始時点で既にバッドエンドみたいな雰囲気あるよな」

あとはストーリーを読んだらエンディング回収出来るよ、みたいな状況だけれど一体どうなることやら。
日は変わり、今日も虚しく一人ぼっちの私。
意気消沈としている私の前に誰かが来る。
上を向けば兄さんがいた。

「えっ！？！？」
「すごい驚くやん」

驚くでしょ！

「チーノと兄さんって知り合いだったの！？」
「ちゃうよ」

ショッピは首をかしげている。

「この人ってAのお兄さんなん？」
「あ、そうじゃなくて、あだ名みたいなもの」

それよりも何故チーノが兄さんを知っているんだ。私ですらここ数年連絡もとれていないのに。

「トントンから聞いてん」
「ああ、そういうことね」

懐かしい名前だなあ、今ごろ元気にしているだろうか。

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