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『……うつ?』
不審に思った私が声をかければ、鬱は振りかえる。その手には部屋の灯りで反射し光る包丁が手に握られていた。
「待って待って待って!!?!?」
「はよ進めろや」
「進めたら死ぬよね!?」
私を無視して、ショッピは勢いよくエンターキーを押す。
『ひっ』
『A、一緒に死のか。俺にはAだけがおればええねん。Aを生き甲斐に、Aのためだけに生きてきた。なのにAは俺を捨てるんやろ? そんなん許すわけないやん。別れるくらいなら一緒に死んでやる。絶対に他の馬の骨とも分からないやつと幸せにはさせへん。俺より幸せには絶対にさせへんからな』
『ごめ、ごめんなさ……!』
後ずさりながら謝る私。
「なんか適当こけ! 寂しくて言っちゃったのみたいなこと言え! 死ぬな私!」
「応援上映?」
ゲームの中の私は大変なことになっているが、現実の私はショッピの言う通り完全にヒーローを応援しているファンだ。
ひたすら謝る私のテキストを読み進めていく。
すると私の願いが叶ったのか、救いの選択肢が出てきた。
→「寂しかっただけなの!」
→「鬱と死ぬくらいなら一人で死ぬ!」
爆速で上を選んだ。
『ごめんなさいっ、寂しくて! 構ってほしくて言っちゃっただけなの! 許して……! ごめんなさい……!』
『……そうなん?』
一応話は通じるらしく、鬱は反応を示す。
『そうなの……! ごめんなさい……!』
『別れたいわけやなかったんやな? ならええよ』
鬱が私に近づく。今度は私は動かなかった。
そして鬱が私を抱き締めて頭を撫でるスチルが表示される。慈悲にあふれた表情をした鬱は、先ほどまで無理心中をしようとしていた人間には見えない。床に包丁が落ちていることから、危機は去ったと見ていいだろう。
______
鬱は私を抱き締めたままどさりと床に倒れ込む。その姿はまるで、悲しみの果てに心中をした恋人たちとそっくりだ。
おそらく、安堵している鬱とは対照に、私は光のない目をしていることだろう。
きっと、彼から逃げることは叶わない。
外への想いを絶ち切るように、私は目を閉じた。
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鹿野ユズナ(プロフ) - 逆に夢主ちゃんのヤンデレを攻略する主役も面白そうだな、と考えが溢れて止みません。もしやお花畑様天才ですか?夢主ちゃんや物語に詰め込まれた魅力がすごいです。続編移行お疲れ様です。これからも頑張ってください! (2020年10月6日 0時) (レス) id: 6c05b173a1 (このIDを非表示/違反報告)
脳内お花畑(プロフ) - 鹿野ユズナさん» コメントありがとうございます!そこのところ、どうなるんでしょうね?怖がるのか冗談めかして流すのか、それともノリなのか本気なのかはさておいて一緒になってヤンデレになるのか……。私も知りたいです (2020年10月5日 20時) (レス) id: 999cc5b25a (このIDを非表示/違反報告)
鹿野ユズナ(プロフ) - これ、実際にゲームみたいなこと主役たちに言われた夢主ちゃんの反応も気になりますよね……悪ふざけなのかガチなのかは置いておいて(にっこり) (2020年10月5日 18時) (レス) id: 6c05b173a1 (このIDを非表示/違反報告)
脳内お花畑(プロフ) - 悠さん» ありがとうございます!そろそろ続編へ移行するので、続編も読んでいただけると嬉しいです…! (2020年10月3日 14時) (レス) id: 999cc5b25a (このIDを非表示/違反報告)
悠(プロフ) - (*^^*)最高や.......(脳溶けた)スマホ没収されっとって見れへんかったけど、返してもらって見たら.......うん、最高や.......(^p^) (2020年10月3日 13時) (レス) id: 8d0048bdd7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:脳内お花畑 | 作成日時:2020年9月14日 19時