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兄妹…
璃音くんがあたしのお兄ちゃん…
璃音くんはちょっぴり変態だけど、いつも、あたしの事を気にかけてくれて心配してくれて優しくしてくれた。
「…最近ずっと、思ってたのっ。璃音くんがお兄ちゃんみたいだって。璃音くんが、お兄ちゃんだったら、良いなって、そう、そう思ってたのっ、」
「…Aっ、」
璃音くんに手を伸ばした。同い年なのに、どっちが上かなんて聞かなくても分かったよ。
「…あたし達、家族なんだねっ、」
「…っ、」
だってあたし達、双子だもんね。
「…お兄ちゃんっ、」
璃音くんに抱きついた。
璃音くんもあたしを抱き締めてくれた。
「…ありがとな、A」
───俺を、“兄”として受け入れてくれて。
これで俺は
お前への恋心と本当の意味で、サヨナラできるよ。
「…大好きな、A」
───男として。日下部璃音として。
女である、白崎Aが本当に好きだった。
「…愛してるよ、A」
───兄として。日下部璃音として。
妹である、白崎Aをこれからも愛していく。
「…これが俺の誓いだ」
璃音くんと一緒に空に手をかざした。
何故だか、お父さんとお母さんが見ている気がした。
「Aは母さんに似てるんだな」
「…会ったことあるの！？」
「…ああ。俺を助けたのも父さんと母さんだ」
「そっか…っ、あの、２人は元気にしてたの？」
「妹を頼むって言われたよ。すんげー元気にしてたぜ」
「…良かった…あのね、何となくだけど。
璃音くんは、お父さんに似てる気がするのっ、」
「…ありがとな。」
「あたしも、お父さんとお母さんに会ってみたい…っ
そうだ、璃音くん…卒業したら、家族４人で暮らそう。約束だよ」
「…おう！約束だ！」
「…ねえ、璃音くん。何であの時、キスしたの？」
「…ゔっ、それはだな、……嫉妬したんだよ、棗とキスしたんだろ？」
「…や、やっぱり聞いてたの！？」
「言ってくれなかった棗にも腹が立ったし、なによりAを取られた気がして…」
「えっと、恥ずかしいけど…
か、家族なんだし、お、おでこのキスなら、良いよ？」
「まじ？じゃ、遠慮なく！」
そう言ったあたしに璃音くんがキスしようとしたのと、誰かが倒れたような音がしたのは同時だった。
沢山の人の悲鳴が聞こえて急いで駆けつけたら、棗くんの上に覆い被さるように蜜柑が乗っていた。
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作者名：未来 | 作成日時：2022年11月24日 13時
