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しゃがんだ璃音がAの額に自分の額をコツンと当てた時、一瞬の内に視界が変わった。
「…え、あれ？戻っ、た……？」
Aと璃音は元の自分の身体に戻っていた。自分自身の身体に何となく先ほどまでの不安定な感覚はなくなっている。
「俺もベア探しに行ってくるから。Aはあっち頼んだ」
結局、反対方向へと走って行ってしまった璃音には何も聞けなかった。
「璃音くん……」
さっきの璃音くんの話、嫌な予感がする…
離れ離れになっても…て、どういう意味なの？
強くて優しくて、頼りになって。
でも、だからこそ心配なんだよ、璃音くん。
貴方は自分を犠牲するところがあるから。貴方はいつもあたしのために、あたし達のために行動するから。
「璃音くーん、蜜柑ちゃーん、蛍ちゃーん」
「…あ…２人とも、倒れちゃったんだけど…」
「あっ、Aちゃん戻ったんだねー」
「本当！？よかったー！」
立ち尽くしているAに駆け寄って来たのはいつもより話し方が優しいスミレと心読み君だ。
「ええ？またシャッフル！？
てか…パーマ…中身…い、委員長！？」
あの後すぐに蜜柑と蛍が目を覚ました。無事自分の身体に戻った蜜柑は、状況を報告してくれた、とてつもなく可愛いスミレを指差す。
「そうなんだよ〰︎︎〰︎︎〰︎︎
何とかタックルで、ベアを捕まえたとこまでは良かったんだけど…入れかわった挙句、逃げられちゃって…その後、心読み君とかわって…
さっき鳴海先生が言ってた通り、僕らシャッフル組は今、不安定だから。心や体にショックがあると、そのはずみで魂が体から離れちゃうみたいで………」
驚いたAは、普段とは違うスミレの姿をした委員長をポカーンと凝視していた。
「──て。もう実証済み、みたいだね」
「はうあ──っっ！いつのまに！バカン砲のショックでか！」
「……」
既に元の身体に戻っている蜜柑と、ベアに入れ替わっていた蛍を見る委員長スミレ。
身体が戻った蜜柑と心読み君とA組は、喜びのまま手を取り合って回っている。
「とにかく！！ムリヤリな方法だけど、自分の体が側にあればショックを起こすことで元に戻れる事は判明したから」
委員長の言いたい事を要約すると、皆を一ヶ所に集める早く戻れるから、ベア探しを一旦中断して皆を集めてこい、ということだった。
今現在、元の身体に戻っているのはAと璃音と蜜柑と心読みの４人である。
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作者名：未来 | 作成日時：2023年11月1日 20時
