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「白組は紅の遠距離戦に強いテレポートや念力攻撃を特に警戒しているからね〜
かといって紅も、無闇にテレポートで白の懐に入れば、
接近戦に強いフェロモン攻撃にやられちゃうし…ここは難しいとこですね──♡」
《へぇ〰︎︎〰︎︎》
アナウンス席からノリノリでいきなり解説する鳴海の声が聞こえる。彼のことだ、どうせ今年も勝敗の賭けしているんだろう。
「影先輩達は前方、俺らは後方ね」
「っしゃ、行くぜ！！」
翼が声を上げると、紅の騎馬が動き出す。
《──と思ったら、
２組一気に飛び出した───っっ！！》
「あれ」
勢いよく白陣営へ突っ込んでいったのはやはり、蜜柑とAのチームだった。
《あれは例の、佐倉蜜柑組と白崎A組！！紅組騎馬が迷いなく白陣営に突入です》
「わ…あの子達、」
「目立ちたがりでさっき応援合戦失敗させた…」
「またかよ」
「無効化でフェロモン効かないと思って舐めやがって、挑発かよ」
「おい、回り込んで最初の餌食だ。望み通り目立たせてやれ！」
向かってくるA達に、白組の選手達は一気に彼女達の周りへと詰め寄る。
彼女達の頭上にある星を目掛けて、７人の手が振りかざされる。ここまでは狙い通り。
「───…“動くな”」
じりじりと滲み寄って、一斉に襲いかかってくる瞬間、もう少しで星へと手が届きそうなところで白組の騎馬の動きが止まった。
「え、」
「え…」
「な…なんだ？！動かねぇ！？」
「じ、地面が…！」
「ぬかるみ！？」
白組の選手達は驚きと焦りの表情を見せた。
翼は影止めで、璃音は後方から来ていた騎馬の足元を水と雪で泥濘にして、Aは音で動きを一気に封じ込めたのである。
「間一髪…ギリギリ一瞬繋がった…前方の影が」
「目に見えた氷だと突っ込んでこないだろー？」
「はい、ごくろーさま！」
そして、動けなくなっている白組騎馬の星を瞬間移動のアリスを使って取る。その行動に、観客席からは歓声が上がった。
《でました──紅組連携コンビネーション！場内の心理状況である佐倉蜜柑･白崎Aを上手く利用した
「は───うまくいったから良かったものの、危なかった──」
「あいつら簡単に引っかかりすぎ。Aと蜜柑、今ので絶対新しく敵作ったよ」
冷や汗を浮かべる２人に、璃音はニヤニヤと笑みを浮かべた。
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作者名：未来 | 作成日時：2023年11月1日 20時
