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新生徒会長のスピーチ中に、生徒全体が騒めいた。理由は簡単。
新生徒会が新規則と風紀隊を設立したから。
璃音はハアと溜息を吐くと、舞台裏から会場のすぐ傍で豪華な椅子に座っている初等部校長を盗み見た。
彼は相変わらずよく分からない、分かりたくもない笑顔で全体を眺めていた。
「(…葵ちゃんの件はあいつにとって余程、痛手だったか)」
新年に棗が起こした煽動事件。初等部校長側の人間からしたら、余程の痛手だったらしい。
だからこそ、このように風紀隊という組織が出来上がったのだろう。
とりあえず、面倒臭い事この上ないシステムができたってことか。
就任式は無事(生徒達の雰囲気的には無事とは言い難い)に終わり。
璃音はまた裏の任務へと向かおうと歩き出した。
「……」
壇上に上がると下にいる連中が良く見える。
璃音はここからあいつを、Aを見つけるのが得意だ。得意っつっても、髪が赤いからすぐに見つけられる。
やっぱりお前の髪色は目立つ。双眼鏡で此方を見ているAと目が合わないように、ずっと下を向いていた。
「棗っ、棗、待って！」
「……ルカ」
式が終わり、すぐにその足でペルソナの元へ向かうため
に足早に歩いていたら、ルカに声をかけられた。陽一を腕に抱え、息を切らせている。
「またこのまま………裏任務の方に戻るの…？」
「……」
「寮にも全然戻ってこないし……」
ルカの言葉に思い浮かぶのは、今日俺の隣にいなかった璃音の言葉。
「もう、俺にもみんなにも、ごまかしきれないよ。今日
だって、Aはすごく棗のこと心配してた」
Aは勘の良い女だから、多分、俺が裏任務を続けてる事に気付いてる。
俺だけじゃない。もしかしたら、影が最近いない事にも何か感じてるかもしれない。
「何でまた、こんな…
あの時、棗は解放されたんじゃなかったの」
あいつは、Aはそういう奴だ。いつも自分より誰かを優先して、誰かのために涙を流す。
棗…俺は今日にでも、Aに会いに行く。
ちょっとだけ充電てやつ?棗もちゃんと充電しろよ…?
「体の方だって、本当は隠れて何度も病院に通っているくせに」
璃音やルカの言う通りだ。
体の方もだいぶ、ガタがきてる。けど、
「ルカ。俺の事は、もう心配するな。自分で決めた事だから、大丈夫だ」
俺は大丈夫だ。
たとえこの体が動かなくなっても、それでも。
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未来(プロフ) - 感想ありがとうございます！完結までまだまだ先は長いですが精進して参りますのでよろしくお願い致します。 (9月5日 19時) (
レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちゃ(プロフ) - 更新待ってました！これからも楽しみにしているので頑張ってください！ (9月5日 8時) (レス) id: 7447c314b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未来 | 作成日時：2023年7月24日 10時
