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「ルーちゃん……お兄ちゃんと仲良くしてくれてありがとう」


「え」


「ルーちゃんと一緒にいる時のお兄ちゃんは本当に楽しそうで、葵嬉しい…」





いつも警戒したり


心配顔 怒り顔のお兄ちゃんが


あんなに気を許して笑うなんて


久しぶりだったから………





「ルーちゃんがいるこの町に来れて、本当によかった。私達と仲良くしてくれてありがとう」



「葵ちゃん…」





「アリスのせいもあって、いっつも
みんなに怖いって誤解ばっかされてきたから…」




「みんながみんな、この力を
いい風にとらえる奴らばかりじゃ…」






その時くたりと重力にしたがって落ちた葵の手が流架の手に触れた。





「え…葵ちゃん、ものすごい熱…っ」





あつい…っ、こんな熱...
いくら何でも様子がおかしい.....っ





額に手を置けば驚くほど熱かった。流架は慌ててボディガードに病院への連絡を頼む。





「お…お医者さんを…」


「ぼっちゃん。この家の電話、何でか通じないんですけど…電線工事?!」


「えー、ケータイも圏外っすよ…」


「え…おねがいっ!どっちか町までおりて、お医者さん呼んできて」


「わ、わかりましたっ」


「葵ちゃんのお父さんに連絡…」


「う…」





苦しそうに目を閉じた葵ちゃんを見て嫌な予感がした。





「棗にしらせなきゃ…っ、
棗を探しにいってくる!お願い、葵ちゃんをみてて!」


「わ…分かりました!引き続きケータイで一応、医者とお父さんに電話し続けます」





ボディガードに葵を任せて、慌てて家を飛び出す流架。





棗…っ!
今すぐ…葵ちゃんのそばに戻ってきて…っ!!





「くるし…はぁ、お兄ちゃ…はぁ…」





葵の息使いは次第に荒くなり、虚ろな目で兄を求める時だった。突然、葵の周りが火の海になった。





「あ…」





(アリス)が…何で…止まらない…!


こわい……お兄ちゃん……っ!!


お兄ちゃん、たすけて…………っ!!!





葵はそこで意識を手放し、家は炎に包まれた。





「棗っ!葵ちゃんが……っ!」





葵が大変。息を切らしながらやって来た流架の言葉に、棗の顔が一瞬蒼白になった。2人は全速力で家に戻る。


家に着いた時には、住み始めて間もない家が紅蓮の炎に巻かれていた。





火事……っ!?一体、何が……っ





「葵っ!!」





葵を抱きかかえたボディガードが必至になって走り、家から出てきた。

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作者名:未来 | 作成日時:2023年3月24日 23時

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