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「……ルーちゃん、学校...楽しい？
毎日がたのしい？」
「……うん！」
微笑んで頷いた流架に、流架の母親は目を見開いた。
「おくさまっ、だめですって」
「や〜〜〜ん♡ミタ？あの天使の微笑！
我が子ながら悩殺スマイル...」
「｢だめだこりゃー｣」
棗と流架がわいわいと楽しそうに話している様子を遠くから眺めている母親は、もうメロメロだ。
「バカね、私っタラ…守ル事に必死にナリスギテ…
檻に入レテ、埃ヲかぶセテ。ソレがあの子の幸セのタメだナンテ思い込んで。
あの子のアンナ生き生きシタ目を、閉じ込メテ、忘れてシマうトコだった…」
あんな笑顔ヲ引き出せる友達二出会えて
本当にヨカッタ…
それと、棗と一緒にママに謝りに行く前。朝から具合が悪かった葵ちゃんは寝込んでいた。
次の日、葵ちゃんが風邪をひいたって棗から聞いた。
赤い石…
まるでお兄ちゃんの瞳みたい。
きっとこの石は、
お兄ちゃんみたいに葵を守ってくれる。
葵の秘密のお守…
「え、葵ちゃんの熱、あれからまだ下がらないの？」
「ん…」
チャイムが鳴り、学校が終わって棗と帰っている途中である。
「葵ちゃんは具合悪くなったのって、僕が泊まった次の日の朝だったから、もう３日も...大丈夫なの？棗」
「医者にも２回見せたけど、
“原因不明の発熱”としか言わねーんだ。
まあ、あいつ元々弱っちーから、引越疲れとかだと思うけど。３日は長いけど、熱とかよく出る方だし」
今日は高熱を出してから一向に体温が下がらないという葵のお見舞いも兼ねて、棗と一緒に帰っていた。
「それはともかく…進歩したのな、ルーちゃん...」
「ルーちゃんいうなっ！」
登下校が車送り迎えから尾行へ、変わった。
「はー、車ラクだったのに…」
「バカぼっちゃんのせいで徒歩かよ...」
流架の母親が車での送り迎えを辞めると言った日から、ボディガードこそ付いているものの、徒歩で通学できるようになった。
最近、ママが少し変わった…
何でだろう……
あの日、勝手に泊まった事も許してくれたし
理由は分からないけれど、少しずつ変わり始める母親に流架は嬉しさを感じていた。
「……葵ちゃんが？」
「ん…多分、熱にうかされて頭がボーっとしてるから、ヘンな事口走ってるだけなんだろうけど。ちょっと気になってな……」
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作者名：未来 | 作成日時：2023年3月24日 23時
