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結界のアリスをもつ花姫達、他の花姫達が次々と中等部校長の偉大さについて話す。
この場にいる誰もが、姫様を慕っていることが伝わってくる。
中等部校長のアリスは、“結界”。
それも、とても強い力を持っている学園の“守り神”…
「あなた方が聞いたであろうバカバカしい噂は、ただの噂に過ぎないわ」
「お気に入りの女の子を一生閉じ込めて、奥に───」
「ただ、噂のもとは───…」
「…紅葉さん」
「あ…」
静音に止められた紅葉は口を閉ざす。だが、撫子と小梅は続けた。
「でも…初めから今日の事は、かきつばたお姉様だっておかしいと思ってらしたんでしょう?
ハプニングがあったとはいえ、姫さまが男の子をこの花園会の宴に招くなんて………」
「やっぱり仮面の君が……」
「…“仮面の君”?」
「あなた達」
「ごめんさいー…」
“仮面の君”。その単語に、Aの息が止まった。“仮面”
の単語があてはまる人物はAの中でたった一人だ。
口を滑らした撫子の耳を引っ張り怒る静音。この2人は本当に考える前に口に出すから良くないと思う。結界のアリスを持っているから大切にされているだろう。
「“仮面の君”って何?まさかペルソナの事じゃ……?
ペルソナが棗を…!?」
「落ち着いてルカ君」
気になったのか、声を荒げて動揺している流架に、落ち着くように声をかける百合。
「(ペルソナ…もしかして今回の件に関わってるのって、零先生なんじゃ…何が絡んでいるの……?)」
「姫様自身の噂は本当じゃないことばかりだけど。
確かにこの姫様のお膝元である花姫殿は特別なところであることには違いないわ」
「ユーリ先輩…」
百合が口を割った事で静音はため息をつきながら、説明に付け加えるように声を漏らした。
「この花姫殿は姫さまの強力なアリスがより強く働いている所で、細部にわたって姫さまがその影響を全てコントロールしてらっしゃる」
「だから私達が足を踏み入れる許可を頂いてる所以外は姫さまの力がより強く働いていて、私達もその辺の事は良く知らされていないの」
だが、その説明では彼と姫宮の繋がりが見えてこない。
「仮面の君と姫さまのつながりについては、私達はよく分からないけど。
姫さまが嫌々ながらも、彼と接触があるのは事実だし。
彼はこの姫さまの領域をほぼ、自由に行き来する事を許されていらっしゃる」
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作者名:未来 | 作成日時:2023年3月24日 23時