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窓から外を見た。ふと、階下に先程のアリスを持つルーちゃんと呼ばれた金髪の男の子を見かけた。





「…っ」





だが様子がおかしい。不審者のような格好をした男に手足を捕まれている。棗は素早く窓を開け、飛び降りた。





「おい、乱暴に扱うな!
依頼人から傷つけるなと言われてんだぞ!」


「さっさと運べよ、護衛がすぐそこに…っ」





抑えつけられて身動きが取れなくなった流架。





「ち…あばれるな…、!!」





棗は後方から蹴り飛ばして、男は流架を放して倒れる。





え…だれ…





「おい、しっかりしろ」





あ……、ひゅうが…なつめ…





解放されてゴホゴホと咳き込む流架を気遣う棗。





「ち…この…っ」






そんな棗に向かって蹴られた男が起き上がり、ナイフを持って飛び込んできた。棗の目は見開きながらも、男を捉えた。





「うわあっ!!」





殺気の混じった目で男を睨み、男の腕に火をつけた。





「化け物……っ」





襲いかかってくる男の前に炎を出した棗。炎を出す棗に恐れをなして、暴言を吐いた男は逃げていった。





炎が、いきなり…





「ち…誰が化け物だ。
ガキ相手にナイフ出しやがって…」






何で…





放火が起きたことで火災警報器が鳴り、棗は尻もちをついている流架に声をかける。





「おい、さっさと起きろよ」



「(火が消えた…)」



「いつまで腰ぬかしてんだよ、逃げる(いく)ぞ」





──それが棗と僕との出会い………



そして初めての、自分以外のアリスとの出会い…





「………炎のアリス?」





ところ変わって、警報器が鳴った所から離れようと学校の屋上に来た。


そこに座りながら話している流架達に、ボディーガード達の流架を呼んでいる声なんて聞こえやしない。





「つーか、転校初日にバラすハメになるとはな…
アリスってこと…」



「ご、ごめん…隠してたんだ…」



「別にお前のせいじゃねーよ。俺が勝手にしたことで、
あーゆーのをけちらすのは慣れてるし。
アリス使わなきゃ、お前確実に連れてかれてたからな」



「(な…慣れてる…けちらす…)」





まだ、信じられない…


…隣に


自分以外の同い年のアリスの子がいるなんて…





「まさか引っ越した先に、学園から逃げもせず、普通にアリスが暮らしてるなんて思いもしなかったからな」



「……僕もビックリした…君のアリス、あんなの初めてみた、」





こんな出会いがあるなんて………

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作者名:未来 | 作成日時:2023年3月24日 23時

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